まりんとはよく出かける近くのデパート屋上にある、ペットショップで出会いました。まだ生まれて3ヶ月程度、抱かれてもおとなしく手の中におさまっているような、ほんとに小さな子犬でした。
子犬の写真を使った装丁と題名に惹かれ、「犬と私の10の約束」(川口晴著 文芸春秋社刊)という本を買いました。作者不詳の英文の短編詩「The Ten Commandments of Dog Ownership」がもとになって書かれた小説です。その短編詩「犬との十戒 (犬と私の10の約束)」は、これから犬を飼おうとする人に対する心の戒めを訴えるものです。
犬と私の10の約束
(The Ten Commandments of Dog Ownership)
1.私と気長につきあってください。
(Give me time to understand what you want of me.)
2.私を信じてください。それだけで私は幸せです。
(Place your trust in me. It's crucial to my well-being.)
3.私にも心があることを忘れないでください。
(Be aware that however you treat me I'll never forget it.)
4.言うことをきかないときは理由があります。
(Before you scold me for being lazy, ask yourself if something might be bothering me.)
5.私にたくさん話しかけてください。人のことばは話せないけど、わかっています。
(Talk to me sometimes. Even if I don't understand your words, I do understand your voice when it's speaking to me.)
6.私をたたかないで。本気になったら私のほうが強いことを忘れないで。
(Remember before you hit me, I have teeth that could hurt you, but that I choose not to bite you.)
7.私が年を取っても、仲良くしてください。
(Take care of me when I get old.)
8.私は十年くらいしか生きられません。だからできるだけ私と一緒にいてください。
(My life is likely to last 10 to 15 years. Any separation from you will be painful for me.)
9.あなたには学校もあるし友だちもいます。でも私にはあなたしかいません。
(You have your work, your entertainment, and your friends. I have only you.)
10.私が死ぬとき、お願いです、そばにいてください。どうか覚えていてください、私がずっとあなたを愛していたことを。
(Go with me on difficult journeys. Everything is easier for me if you are there. Remember I love you . . .)
私は動物、とりわけ犬が好きではありませんでした。「好きではない」といよりも、むしろ「嫌いだったと」いう方が正確です。
子供の頃、家には祖母が飼っていた犬がいましたが、私を見ると激しく吠えるだけでなく、時にはつながれている鎖を引きちぎって暴れだし、逃げる私を庭どころか家にまで上がって追い掛け回し、ついには止めようとした母の手に激しく噛み付いてケガをさせたこともあります。
そんなことがしばしばあったので、「犬は吠えてうるさいし、すぐ噛み付く凶暴な動物」という印象を強く持つようになり、犬を飼っている家に行くのは大人になってからもずっと嫌でした。
そんな私が3年前、突然「犬を飼おう!」と言い出したのですから周囲は驚愕しました。何で突然そんなことを思ったのか、今もって自分でもよくわかりませんが、その1年前から飼い始めたハムスターの存在が、少しずつ動物嫌いを緩和させていたのかもしれません。
「犬と私の10の約束」の1番目から6番目までは、これまでのまりんとの生活を通じて思い当たることたくさんあります。最近、まりんは悲しい時・寂しいと感じた時、目に涙をいっぱいためて本当に泣くことに気づきました。犬は吠えるだけだと思っていたのでこれには本当に驚きました。

今年まりんは3歳になりました。人間でいえば20歳のお嬢さんくらいの年齢で元気いっぱいですが、やがては年をとります。7番目から10番目までは、これから先のまりんとの生活での中で、必ず向き合っていかなければならないことへの戒めです。