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2008年08月28日

求道会館

小学校の同級生に誘われて、第4土曜日のみに公開されている求道会館を見学してきました。文京区本郷の東大・正門の向かいの路地を歩いてゆくとその建物が姿を見せてきます。
界隈には昔ながらの日本旅館があったり、今ではもう立てられない木造3階建ての共同住宅があったりとタイムスリップしたような街がありました。

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旅館

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木造3階建て「本郷館」


東京都の有形文化財に指定されているこの建物の由来は多少知っていました。昨年、この隣に建つ「求道学舎」という建物がリニューアルされ定期借地権付き分譲されることになり、改修計画に関わった建築家・橋本文隆氏からお話を聞いたことがありました。

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求道会館 正面


建物の歴史から言えば、この2つの建物を組にして考えないといけないのでしょうが、住宅として住まわれている学舎の方は、残念ながら今回は見学できませんでした。

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求道学舎(元の学生寮、集合住宅)


1時から開始された説明は、この建物を建てた近角常観(ちかずみじょうかん)と言う創設者のお孫さんで建築家の近角真一氏が熱心に語っていただきました。創設者の近角常観は1872年(明治3年)に生まれ、若い頃にヨーロッパを回り帰国後、仏教の布教活動のよりどころとしてキリスト教のような教会形式の教会堂の建設を思い立ち、当事、新進気鋭の武田五一という建築家に設計を依頼したそうです。

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説明される近角真一氏


依頼した項目は【1】キリスト教会のようではない建物、【2】仏教の建物のようではない建物、【3】レンガ造のようではない建物の3つでした。関西では作品が多く同志社などの建物を多く手がけていますが、関東では隣の「求道学舎」(学生寮)と2つだけとのことでした。

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古い網入りガラス

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菩提樹を描いたステンドグラス


建物の外観は明治の洋館建築そのものです。中に入ると椅子席が整然と並び、両側にバルコニーが突き出してキリスト教会を思い浮かべます。そして中央奥には祭壇のある位置に六角堂がはめ込まれて阿弥陀菩薩が鎮座(いや立像ですから)しています。ここは浄土真宗の寺院なのです。

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堂内


1915年(大正4年)に完成、常観の死後、戦後50年ほどは荒廃されたままになっていました。
東京都の文化財に指定され孫の真一さん達の努力で2002年(平成14年)にリニューアルして公開されて現在に至っています。

新しい仏教の普及活動を建物で示そうとした情熱と信念が形作った建物だと思いました。
(求道会館ホームページ http://www.kyudo-kaikan.org/map.html


2008年08月23日

どうして こうなる

ドライブなどで田舎に出かけると、無人の農作物の販売所をよく見かけます。その朝収穫したばかりの大きな野菜がごろごろと並べられ、ごく簡単なつくりの集金箱が置いてあるだけの販売所。手書きの値札には、都会に住む者には驚きの価格が・・・。

私は、こうした無人の販売所が大好き。先日、夏期休暇を利用して清里にドライブに出かけた際も、昼食をとった店に隣接していた販売所に立ち寄り、肉厚のピーマンと好物のジャガイモを買いました。締めて200円。その日の食卓には、大きなピーマンの肉詰めとポテトサラダが並びました。

こうした販売所、「代金を払わない人もいるのでは」と心配に思う人も多いでしょう。私が立ち寄った販売所には、「生産者は、みなさんの良心を信じています」と書かれた札が立てられていました。そう、人間、良心に任せられると悪いことはできないもの。人に本来備わっている“良心”に対する信頼の上に成り立っているのです。

ところが、身近なところで、簡単には理解できない“良心の崩壊現象”が起きています。7月17日のブログで、私の住む地域で一斉にレジ袋の有料化が始まったことを紹介しましたが、これに伴って万引きの件数が急激に増加しているというのです。

「そんな副作用があるなんて」と驚いて調べてみると、マイバッグを悪用した万引きが全国的に増えていることがわかりました。高価な物はマイバッグに移し入れ、安い物だけをかごに残して清算する手口や、未払いの商品をマイバッグに入れたまま店外に出る手口などが目立っているそうです。

確かに、口の開いたマイバッグと買い物かごを両方持って買い物したり、他の店で精算済みの商品が入ったマイバッグを次の店でも使ったりすることがあり、使い方を見直す必要はありそうです。悲しいことですが、マイバッグの登場によって商品を持ち去りやすい環境、出来心を持ちやすい環境が生まれてしまったのかもしれません。

しかし、マイバッグの弱点を見つけてしまったとしても、当然のことながら、実行に移すかどうかは別問題。何より驚き、悲しいのは、良心を捨てて実行してしまう人が多いことなのです。わたしたちに本来的に備わっているはずの“良心”は、そんなにもろいものなのか・・・。

マイバッグ運動を単なるブームで終わらせず、確かなエコ活動として定着させていくためにも、どこかに置き忘れてしまった“良心”を取り戻しに行こうではありませんか・・・!

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2008年08月21日

夏休み霞が関ロビー展

各官庁が夏休みを利用して、子供たちにお役所の仕事を知ってもらおうという催しに板硝子協会も協力している。20日から始まった経済産業省の「霞が関ロビー展」にエコボール・ジオラマBOXのエコガラス体験器が大活躍している。

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この暑いのに、とオリンピックばかり見ているお父さん、子供の環境意識に置いてきぼりを食らいますよ。

普段は官庁街に見られない親子連れが小学生の皆さんが続々やってきます。お父さんやお母さんもガラスの遮熱性能や断熱性能の違いを理解しようと自ら手を近付けたり、触ったりしています。

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もう一つの呼び物は、破壊試験機です。これは普段割ることのできないガラスの違いを実際に叩いて割ってみることのできる試験機です。普通の1枚の板ガラスと網入りガラス、そして防犯用の合わせガラスの3つをたたき割るなんて、夏休みでもココだけです。

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やはり皆さんの声を聞いてみると、「網入りガラスは防犯に役に立たないとは知りませんでした。」という声が多く、「防犯でエコなガラスありますか?」なんて欲張りな、いえいえ素晴らしい質問も飛び出したり、みなさん熱心にそして家族で楽しそうに体験されていました。

この日ばかりは、陳情や打ち合わせの人々であふれている経済産業省のロビーが違って見えました。



2008年08月18日

家のこと(1)

省エネ住宅とかロハウスとかエネルギーを使わないようにする住宅に関心が集まっていますが、私は今から9年前の住宅の省エネ基準が次世代省エネ基準に変わった平成11年(1999年)に家を建てました。高断熱・高気密住宅を勉強し、よし!建てようと思い立ったわけです。(住宅取得減税もそのころは15年間付きました。これも動機として大きかったです。)それから来年で10年が経とうとしています。このブログでも私の家のしかけについて少しずつお話していこうと思います。

まず最初は夏のしつらえについて、南側の窓面には夏の太陽高度では直接日射が当たらないように庇やバルコニーで遮るように設計していますが、午前や午後の斜めから入る光や東面や西面は庇では無理なので、日本古来の「すだれ」でガードしています。

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また、バルコニーからは植物のカーテンを垂らして日差しをさえぎる仕掛けを毎年育てています。毎年、出てくれるので「のうぜん蔓(凌霄花(のうぜんか)とも言うそうで中国原産の蔓性の植物だそうです)」と実が取れるのでブラックベリーを植えています。

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テント倉庫の壁にもゴーヤを這わせていますが、今年はちょっと遅かったので真夏でこの程度ですが、これから実も楽しめると思います。

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それと夏にこの植物たちに欠かせないのが水です。水とCO2は関係ないとお思いでしょうが水道水を作るには浄化・消毒などの際にCO2を使う輸送機材や電力をつかっているわけです。ということで、雨樋を切り欠いて雨水貯留システムを自作しました。約45リッターのポリタンクに一雨夕立でも来ればいっぱいになります。それを庭や畑の水やりに使っています。

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家の仕組みのご紹介はロハスな取り組みからでした。



2008年08月12日

1.2馬力

自家農園をやっています。と言うと結構反応してくれる人が多くなりました。特に外国の人はたいていの人と共通話題になりました。以前、英会話教室に通っていた時には、趣味はファーミングというと、何作ってるの、とか「ピーマン」の名前もそれは英語ではそうは言わない(piment フランス語でした、英語ではグリーンペッパーと言います)、とか盛り上がったものでした。

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今、話題の食料自給率を上げるためではありませんが、少ない土地でも季節によって何を植えてみようとか考えるのは楽しいことです。植える時期を間違えて失敗したり、虫にやられたりしながらも、無農薬でやりとおすぞ、と頑張ってもう10年位経ちます。ほんとうに農家の方の努力が多少なりともわかりますし、あんなにきれいなキュウリやキャベツがどうして揃うのか疑問も残ります。

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何でも道具から入る方なので?ネットオークションで中古の耕運機まで買い込んでしまいました。エンジンものは好きなので手入れしながらやっていますが、数か月使わないでいたら動かなくなりました。今年の桜の時期に八ヶ岳に行った時に、農産物の売店があり、その名も「北杜市都市農村交流センター」でしたのでそこの方に、「耕運機、使わないでいたら動かなくてね」などと話していたら、「それゃ、使わない時はキャブのガソリン抜かなくちゃダメだよ」と教えてくれました(エンジン管理の常識らしいです)。

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それで、こんどはキャブ(気化器)の部品を川崎にある耕運機屋さんに注文して(その耕運機屋さんもいろいろ親切に教えてくれました)いざ自分で交換してみたら、一発でエンジンがかかりました!今度のは、ちゃんとガソリン抜きがついて改良されていました。
1.2馬力の小さなエンジンですが、頼もしい音を響かせて(近所のみなさんごめんなさい)今日も畑づくりです。この耕運機の名前はホンダの「こまめ」と言います。



2008年08月11日

熱中症にご用心

8月。子どもたちは夏休みに入り、親はレジャーや帰省で大忙し。そんなイベントシーズンが近づいてくると、決まってすることがあります。それは、一年前の日記を見ながら今年の計画を練ることです。

さて、お盆休みの過ごし方を考えようと昨年の日記を読んでいたときのこと。カラーペンで大きく「動物病院!」と書かれた日が目にとまりました。そう、昨年のこの時期は、わが家で飼っているウサギが体調を崩し、動物病院に通っていたのでした。

梅雨明けの頃からか、エサを選り好みするようになり、やがて食欲不振に陥りました。好物のリンゴさえ受け付けなくなったとき、ただ事ではないと悟り病院へ。栄養剤を注射してもらい、弱った胃腸の働きを助ける薬を与えて、何とか元気になったのです。

この夏はどうかというと、実に元気です(笑)。人間でいうと80歳くらいのおばあさんウサギ。あまりダイエットを厳しくしてもかわいそうかと、暑くなるとエサの選り好みも許し、食べたがるものを与えて甘やかしていたおかげかも知れません。

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好物のレタスを食べる、わが家のウサギ


ところが先日、やってしまいました。ほぼ一日家を空けるというのに、うっかりエアコンを切って出かけてしまったのです。夕方、一歩家に足を踏み入れた瞬間、「しまった!」と思いました。室内は蒸し風呂状態。ウサギは・・・横たわりながら、恨めしそうに私をジロッとひと睨み・・・。

ご存じの方も多いかもしれませんが、動物の方が人間よりも熱中症にかかりやすいといいます。毛皮に覆われていて、人間のように全身に汗をかくことができないためですが、特に小動物は、体が小さい分温度変化の影響を受けやすく、短時間で熱中症になってしまうそうです。

散歩中や閉め切った室内、車の中では特に注意が必要とのこと。おっちょこちょいな飼い主のせいで、わが家のウサギには辛い思いをさせてしまいました。

夏休みの動物園で、白クマなど日本の気候に適さない動物たちに氷がプレゼントされる光景を見ていると、思うのです。「本当にお疲れさま。『僕たちの方が暑いんだ!』と、もっともっと人間に甘えていいんだよ」と。



2008年08月08日

ブリーダー

夜中、このごろ私のうちの中には奇妙な音が鳴り続けています。「かりかり、ごそごそ・・・??」そしてときどき「ぶぅーん」と羽音が。どちらにしても、「ムシ大嫌い!」という方はこの下の映像はご覧にならないようにしてください。お前のうちは、ゴキブリ屋敷か。と思われてはたまりませんので、種明かしをしますと、いただいた10匹のカブトムシの幼虫が見事に全部、孵化して元気に成虫で動き回っているのです。

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昨年から幼虫からさなぎになり、先月になって一斉に羽化しました。せっかく元気なカブトムシくんたちのために大きなジャングルジムを作りました。そこで、夜な夜な大運動会が開かれているので、冒頭のような音が絶え間なく聞こえてくるのです。

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さらに、戸棚の上には今まさに蝶として飛び立とうとしているアオスジ・アゲハのさなぎがスタンバイしています。アオスジ・アゲハはどんな葉っぱをだべるのかというと、「くす」の木しか食べないのです。もう一匹巣立ちましたが、なかなか切らさないようにえさやりするのが大変で、ここまでやっとたどり着いたところです。生命の神秘ということでしょうか、さなぎになると透明のような緑色に透きとおって見えます。そろそろ、飛び立つ日も近いと思います。

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こうなると、来年ももっといっぱい育てたいと思うのが人情。昆虫ブリーダーの人の気持ちがわかる今日この頃です。わが家は今年はムシで一杯です。


2008年08月06日

住宅拝見

土日にかけて、建築家の設計した住宅を見せていただく機会がありました。こうした建築家の設計した住宅が増えてきているのは、ひとつは建築家や設計事務所が身近な存在になってきたことが挙げられます。いつでもインターネットや一般の住宅雑誌で情報を取ることができ、その人の作ったものを住宅展示場のように実際に見ることも気軽にできます。

一つ目は私より10歳若い上垣内伸一氏。母校の千葉大学の非常勤講師もされている新進気鋭の作家です。知り合いなので時々、オープンハウスのご案内をいただきます。ということで、埼玉県越谷市の同じ敷地に建つ2棟の住宅へ。お披露目のことをオープンハウスといいます。施主の方のご理解がなければできないことですが、宣伝媒体を持たない建築家にとっては一番のプレゼンテーションの機会です。

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外観。外は閉じ、中には開放された中庭。


オープンハウスは見る側もそれなりに作法があり、当然これから新居として住む前の状態ですので、手袋やスリッパで汚さないように配慮が必要です。これから住宅を建てようとする人や建築を学ぶ若い人たちで、賑わっていました。

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ガラスにより内外の区別がつかない不思議な空間。

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室内から中庭を見る。


二つ目は井口浩(フィフス・ワールド・アーキテクツ)氏の作品。日経アーキテクチュア6/23号に掲載されているガラス下見板張り外壁を見せていただきに熱海に行ってきました。
住宅の壁をエネルギー取得装置としたソーラーウォールの試みです。
井口氏はNPOミレニアムシティも主宰され、千葉にエコビレッジを建設されるなど精力的に活動をされている建築家で、サスティナブルな都市=森林=農地を目指しているそうです。

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ところどころには透光断熱材を用いた透光壁(うっすら光が入る)が設けられている。


圧巻はオーシャンビューのフルオープン開口部を持つリビング。初島を望む素晴らしい風景を見せていただきました。別荘ではなく通勤可能な熱海に住宅としてお住まいで、休日には一日海を眺めていても飽きそうもないです。

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まさにオーシャンビュー


でも、熱海はすごいところに建物が建っているのですね。やっぱり台風のときは恐ろしいと、御主人はおっしゃっていました。

建築家との出会いはエコロジーな考えを持つ設計者を探していたお施主様が偶然作品を目にして、それから1年あまりの間、プランを煮詰めてやっと着工し完成したそうです。住宅とは買うものではなく、自分に合う殻を作り上げるものだと考えてしましました。



2008年08月05日

SoulSwitch in Marunouchi

板硝子協会のある東京・千代田区丸の内のあたりは明治時代に「一丁倫敦(一丁ロンドン)」と呼ばれ、赤煉瓦の建物が立ち並ぶ当時の最先端の街でした。戦後、オフィス街として発展して今では街を貫く「仲通り」をはさんで高級ブランド店が立ち並ぶオシャレな街に変身しています。

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その象徴とでも言う「丸ビル」(大阪駅前にも同じ名前のビルがありますが、あれは形が丸ビルで、こちらは丸の内ビルヂングの略称)が新しく生まれ変わって数年。そのホールで開催されたシンポジウムを聞いてきました。

テーマが「2050年のエコライフの想像×創造」で、基調講演が安藤忠雄、シンポジウムの司会が野中ともよさんで解剖学者の養老孟司さん、東大・野城教授、元ソニーの出井伸之さん、トルコ人で日本語ぺらぺらの宇宙飛行士候補のセルカンさんのトークが発散しては野中さんが絶妙にまとめてゆく、という進行でした。

第2部は同じく野中さんの司会で若い世代のクリエーターの人達が軽妙なトークを繰り広げるなど、内容の濃い午後でした。中でもこの大手町カフェで「地球大学」を推進してきた京都芸術造形大学教授・竹村真一さんの説得力のあるトークが光っていました。

「すべては太陽の恵みから始まっている」「地球は太陽の恩恵で生きられるようにできている」「人類も植物の光合成のように太陽光を使い発電したり、太陽熱により温度差で生まれた風で発電したり、太陽の熱で水は蒸発し雲になり雨となり水力発電する、海洋温度差発電の深海の温度差も太陽が作っている」と宗教家か詩人のような表現でした。ガラスの窓も太陽の光を入れて閉じこめる不思議な装置ですよね。

エコを何が何でもするという考え方もありますが、苦しみ行なうのではなく自然の摂理に従って柔軟に生活を変えてゆく、スイッチするという考えもいいのではないでしょうか。8月1日夕刻には、丸の内の仲通りで打ち水プロジェクトが行なわれました。

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