2012年もまた、どうぞよろしく御願いします。
新年おめでとうございます。
灰色の雲がたちこめた暗くて湿った日が続いていたのですが、昨晩の「とおり雪」のあと、今朝は晴れ上がって、日本のお正月を思うような澄んだ冬の青空のデンマークです。
今年の新年を私は日本で迎えました。上山さんも年末年始に日本にいらしたのですね。私は1993年以来19年ぶりの日本での年末年始で、年越しそばからおせち料理やお雑煮、七草がゆまで、特別なように思われて、とても美味しくいただきました。大晦日には母と一緒に紅白歌合戦を観て、近くのお寺に除夜の鐘をつきに行きました。元旦には初詣も。通るクルマがいつもより少ない道を、のんびり歩いて帰る途中で、地震に遭いました。実は陸橋の階段を降りばかりで気がつかなかったのです。散歩に出ていた人々が「地震、分かりましたか」と声を掛けてくれて知ったのです。
凧揚げにちょうど良い風が吹いて、冷たいけれど、美しく晴れた空のお正月は、私の幼い頃と同じだと思いましたが、その空気の中に、知らぬ同士でも声を掛け合う、地元の人々の連帯感のようなものをうっすらと感じました。東北の被災地の復興と、福島の人々の明るい将来が、一日も早くもたらされますように。
デンマークに戻ってから曇りと小雨が続いていたのですが、今朝は久しぶりの青空。自転車で出かけると昨晩の雪がところどころまだ残っていて、池や沼の水面に氷が浮いていました。樹林に入るとリスが尻尾や耳先のふさふさとした冬の毛を揺らせながら、木の幹から降りて来て地面を走り抜けて行きます。秋に土の中に隠した木の実を取りに出かけたのでしょうか。
工科大学のキャンパスを通りかかると、環境や省エネルギー関連の技術を研究している実験設備のソーラーパネル上に雪が残っていました。冬の日照時間が少ない上に、雪に覆われるのでは、北欧で太陽光や熱を利用するには、効果を高める技術が必要なのだなと、つくづく思わされます。
この工科大学では窓ガラスの断熱や光の透過を研究している研究室もあります。ここで得られた研究成果は公開されていて、国内のガラスメーカーの新製品開発や、建物のエネルギー効果の基準設定へも利用されています。
ソーラーパネルの実験設備の前に広がる芝生の上には、学生達が制作したらしい、住宅のモデルがありました。それぞれアイデア豊富な個性的な形態ですが、雪や氷が屋根の上に残っているものもあります。雪が溶けたあとの氷が張り付いているところからすると、平面の屋根は北欧の気候には向かないようです。
枝に葉の無い落葉樹の向こう側に、夏には見えなかった遠くの地形がながめられるのに気がつきました。しかも昨晩の雪が白く残っているので、丘や地面のくぼみがさらに立体的に見えています。樹木の茂みの中に小さな池があるのを知ったり、住宅の大きな庭に彫像が建っているのを発見したり。樹木の高いところでは山鳩が巣で休んでいました。夏には葉で隠されていたのでしょう、私が通りかかって見上げたのに気がついて、頭をかしげました。たくさんの小枝が雑然と丸く積まれたカササギの巣には、若い鳥の数羽が集まっています。このようにして、古巣で寒い冬の夜に鳥達は休息するのでしょうね。
暖冬で新年を迎えたデンマークに本格的な冬が近づいています。
