窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

つい足を止めてしまう、北欧の居心地


残暑お見舞い申し上げます。
こちらも、この2週間ほど真夏日がつづいていましたが、そろそろ、のようです。この週末、あち
こちの草むらでリリリリ・・・と澄んだ虫の声を聞きました。

コペンハーゲンとフィンランドに出かけたこの夏、建築やデザイン・プロダクトを訪ね歩いて、か
なり忙しい旅となりましたが、北欧のデザインの底に流れる「居心地」への意思、そのデザインが
かもし出す「居心地」、ああ、いいなあ、と堪能しました。

あ、見えてきた、と、コペンハーゲン到着の<頼もしい目印>となる海上風力発電所の風車群には
じまって、空港や駅のトイレなどの標示、照明器具や外開きの窓(ドイツの窓はほとんどが内開き
ですから)、自転車の前に取り付けた荷車に犬を乗せて走る人たち ---------- 路上でも建物のなかで
も、つい何かに見入ってしまうことの多いデンマークです。
案内や注意・禁止などのサイン(ピクトグラム)、きれいなものがほんとうに多いですね。
たとえば、デンマーク・デザイン博物館の女子用お手洗いのサインです。


女子用お手洗いのサイン
コペンハーゲンから移動したせいもあったのか、フィンランドでは、デンマーク・デザインとはひと
味違う風合いの、どこかほのぼのデザインが目に付きました。
スーパーマーケットの棚に並ぶムーミン一家やハロー・キティちゃんブランドの<赤い色付き水>に
遭遇したときは、びっくりしましたけれどね。飲んでみましたけれどね。

南部の海辺の町エケナスの、この国にはめずらしく中世の通りがそのままに残された静かな住宅街の
道路名標示は、こんなふうです。
スウェーデン語とフィンランド語の2か国語で「指物師通り」、その下にはこの通りのイメージ・
キャラクターでしょうか、パイクの絵表示も。
他にも、帽子屋通り、鍛冶屋通り、革なめし職人通り、手袋職人通り・・・昔、エケナスが漁師町
だったころ、この辺りには何人もの親方たちが住んで仕事をしていたのでしょうね。


指物師通り
築年代によって異なる桟仕切りの窓が取り付けられた、暗赤色やパステルカラーの木造住宅が建ち並
んでいます。散歩がたのしい海辺のエケナスです。


海辺のエケナス
フィンランド鉄道にものどかな風情が残っています。
車両内の車椅子&乳母車用スペースを示している、この乳母車のサインがわたしはだ~い好きです。


乳母車のサイン

これは、ドイツのサインですが、ベルリンの都心のデパートのエントランス外壁に取り付けられてい
るものです。何年か前、人を待っていて、あら?と気づきました。
「人種差別の攻撃から守ります」と4か国語(ドイツ語、英語、トルコ語、フランス語)で書かれて
います。緑色の非常<出口>ではなく、非常<駆け込み口>ですよ、の標示なのでした。
商業施設にこのような安全弁が用意されていること、このような安全弁を必要とする現実があること
に、はっとしました。


人種差別の攻撃から守ります
福田さん、デンマーク語に「hyggelig ヒュゲリ」(カタカナ表記はむずかしいですが)という言葉が
あるそうですね。
ゆーったりとくつろいで過ごす時間や空間、そのなかで心が満たされていくプロセスやシチュエー
ションを表す言葉だそうですね。デンマーク人は、自分たちにとってとても大切な言葉だけれど、外
国語には訳せない、と言うとか。

ドイツ語にも、同じような意味合いで使われ、同じように「翻訳できない」と言われている言葉があ
ります。「gemütlich ゲミュートリヒ」という言葉です。
クリスマス前の午後のお茶しているときなど、心の奥からふっともらすように「ああ、ゲミュートリ
ヒねえ」と誰かが言ったりするんですね。口に出さなくても、おたがいにそれを感じている雰囲気が
室内に漂うこともあります。
ひとりでも大人数でも「ゲミュートリヒ」にはならず、気心の知れた家族や友人何人かといっしょで
あることが、「ゲミュートリヒである」ための前提です。

そして、ノルウェー語にも「koselig コーセリ」という言葉があること、今回の旅で知りました。
コペンハーゲン郊外のルイジアナ近代美術館で開催中の「新ノルディック ------ 建築とアイデンティ
ティ」展でしばらく見入ってしまったたのしいヴィデオがあります。
著作権があると思うのでお見せできないのが残念ですが、暖炉の前の安楽椅子に坐ったふたりの男が黙々と編み物するシーンが延々とつづく、ただそれだけなのですが、これが「コーセリ」を端的に表
現しているのですね。
暖炉に火が赤々と燃え、テーブルの上にはロウソクの揺れる炎とグラス一杯のワイン、そして手仕事
などする ------- あたたかく、くつろぐ心、それが、私たちがとても大切にしている koselig です、だ
から住まいもとても大切なのです、という短い説明文が添えられています。

北欧の「居心地」をテーマに出かけた旅でしたが、白樺林を渡る風や湖や海の岸辺に打ち寄せる波の
音とともに、編み物する男たちの映像が深く心に残っています。




投稿者:森さん  カテゴリー:
2012年8月28日


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プロフィール

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2011年夏から協会に参加。省エネ担当。技術開発出身で戸惑うことが多く、右往左往しています。ミステリー、オーディオとペットとの散歩が趣味。

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南ドイツの小さな大学町テュービンゲンで「競争するより協同で」を教わりながら育つ。暮らしの中や旅路で出会う人たちの人生の多様性に魅了されています。

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