窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

秋の風


青空が広がって、太陽の光がさんさんとまぶしいくらい大地にそそがれているのに、空気には秋の気配が感じられるようになりました。大きなマロニエの樹木がところどころ黄色に色付いています。もう明るい夜の季節も終わり、夕飯の食卓では明かりを点けて。そして、ロウソクを灯して「ヒュグリ」な雰囲気を。

秋の教会森さんはデンマークに寄られたのですね。「ルイジアナ現代美術館」は彫刻のあるみどり豊かな庭園と、ウアスン海峡を望む景色が美しく、天気の好い週末には、自転車でふらりと出かけることもあります。この夏の特別展は北欧の建築を見直す良い機会になりました。自然に調和し気候に耐えうる外観と、ぬくもりの感じられる素材を活かした温かい室内の設えが北欧の建物に見られる特徴です。

ルイジアナ現代美術館2そして、室内を自然光で明るく保つための大きなガラス窓は、北の国々で昔から受け継がれてきた伝統的な特徴のひとつです。寒くて暗い冬に、温かく明るく室内を保つ工夫が、北欧の建物の設計において最も重要な要素になっています。厚い外壁の内側には断熱材がたっぷり詰まっています。昔なら藁を、近代には新聞紙を使った時代も、現在は岩石の成分を縒ったロックウールが用いられています。
柱や梁などの構造物に木材を使うのが伝統ですが、近年の新しい建築様式でまた復活しています。住宅ならもちろんのこと、オフィスでも床は木材で敷かれています。北欧の普通の家庭では、自然のぬくもりのある木材のフロアを、素足で、あるいは室内履きで、冬の寒い日ならウールの靴下履きで歩きます。帰宅したら靴を脱いでリラックスしてくつろいでというのが、北欧の人々のライフスタイルです。

ルイジアナ現代美術館1屋外では厳しい気候にも負けず、豊かな大自然のなかで、多種多様な活動にも励んでいます。山のハイキング、ノルディックスキーやスケート、セイリング、カヌーやカヤック、森でのオリエンテーリング、最近では高齢者に評判のノルディック・ウォーキング。自然のもたらす風土に慈しみ、天然資源の恩恵を受けながら暮らす人々は、自然や環境の変化に敏感です。自分たちの親しみ愛する自然を守るために、環境を改善し、地球への負荷を最小に抑える努力を惜しみません。けれども、あわてずあせらず、まずリラックスして、じっくり考えて。

持続可能な社会を目指すために環境とエネルギーの両者を併せて配慮する政策をデンマーク政府が設けたのは約20年前。当時は地方自治体が「グリーンな街づくり」を提唱すると、市民は「グリーン・ツボー(地元ビールの銘柄)のほうが欲しい」という冗談が聞かれたほど。それでも多くの自治体で「アジェンダ21」に則った地域の取り組みが続けられてきました。やがて、最高気温の記録更新が毎年続くようになり、海水面の上昇が確認され、大雨と洪水の被害が大きくなり、デンマークの自治領であるグリーンランドの内陸氷河の溶ける量と速度が急上昇するなどの、温暖化による気象の変化を体験して、今日では、より多くの人々が環境保護と省エネルギーや温暖化促進物質排出の抑制に関心を寄せ、実践しています。

コペンハーゲンの北部ノーシェランの私の住んでいるヒョースホルム・コムーネでは、議会の多数派政党が環境やエネルギー問題を優先して取り組む政党ではないのに関わらず、最近は地元の断熱サッシ製造企業VERUXの協力を得て「0エネルギー」設計の幼稚舎を新設したり、図書館の屋根に太陽電池を設置して屋内の電力供給を補充したりするなど、公共施設の省エネルギー化と省資源を図っています。今年は「グリーン」なコムーネを目指す象徴として、ショッピングモールの広場に太陽電池の塔を設備しました。また、「自転車の街」を目指して、自転車利用者のさらなる増加を図る目的で、自転車通行台数を計測して表示する設備を据え付けるほか、自転車用の空気ポンプも設置するなどの工夫をしています。私が午前11頃に通りかかったときには、今日の通行台数が既に298台を数えていました。棒グラフには今年の通行台数が表示されています。

太陽電池の塔自転車通行台数を計る機器昨年からの石油価格の高騰のほか、今年は電気料金の値上げがあるためか、太陽電池や給湯用のソーラーパネルを設備する住宅が多くなりました。御近所さんの屋根の上にソーラーパネルが設置されたのを覚えていましたが、そのお隣さんの屋根の上にも。塀の向こう側の緑の樹木の間から、付けられたばかりのソーラーパネルが見えました。ゆっくりと、持続可能な社会を目指すための省エネルギーや環境へ働きかけが増えているようです。

ソーラーパネル風が背の高い樹木を大きく揺らせて、葉のすれる音が秋を思わせています。しっとりした空気が漂う城跡の堀の水面にのんびり水草を食む白鳥の家族を見つけました。初夏の5月には薄茶のフワフワの産毛に包まれていたヒナたちは、夏を経て見違えるほど大きく成長しています。あの卵から生まれたばかりの小さなヒナが、立派な大きな白鳥に育つ様子には、毎年のことながら感心するばかりです。「みにくいあひるの子」を書いたアンデルセンの思いが少しは分かるような気がします。子供達が親を離れて旅立つ日も近いのでしょうか。

白鳥の家族







投稿者:福田さん  カテゴリー:
2012年9月20日


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