窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

グリーンなゴルフ場


ころもがえ。気温が20℃を越え、野外の活動が半袖とショーツで楽しめるようになりました。心も衣も軽く、自転車に乗ったり、散歩に出たり。新鮮な空気をもとめて、すまいの近くを歩いていると、豊かな緑の葉でこんもりした樹木の枝から、シジュウカラやアオガラの親子の互いに呼び合う鳴き声が聞こえています。立ち止まって小鳥達を探していると、2羽のスズメが葉の間から飛び出しました。一本の大きな木が、たくさんのいろいろな小鳥達の遊び場になり、餌を獲る場になり、住まいになり、隠れ家になっているのだなと、自然のしつらえに感動。


大きな木
夏至の近づいた6月は、夕飯の後でも明るい時間が長いので、サイクリングやジョギング、セイリング、ウィンドサーフィンなどのスポーツ、庭の手入れなど屋外でゆっくりたっぷり。庭のテラスでの夕食もデンマークの夏の楽しみ。最近は、週末に限らずウィークデーでも仕事を早く終えて、友達とゴルフをプレーする男性女性が増えています。もうかれこれ10年ほど、デンマークではゴルフが静かなブーム。郊外の休耕地を利用して造られたゴルフ場が多くなりました。

ゴルフ場はグリーンの雑草を駆除するために除草剤を使用するので、地下水の水質や土壌の汚染をもたらして環境破壊につながるというのが、環境保護団体の一般的な見解です。デンマークでは長年農耕地に撒かれてきた除草剤や殺虫剤による地下水や土壌汚染が問題視されるようになり、除草剤と殺虫剤の成分や量を制限する厳しい規準が設けられました。この規準は農耕地だけでなく、一般家庭やゴルフ場にも適用します。ですから、広大な芝生を管理するゴルフ場では、除草のために様々な工夫を凝らしていることでしょう。

わたしの住んでいるヒョースホルム・コムーネには3つのゴルフ場があって、そのひとつヒョースホルム・ゴルフクラブでは、グリーン・キーパーのアイデアで27ホールある100ヘクタールのゴルフ場全体を生態系とみなして自然の力を高めるために、3年前から養蜂を始めました。地元の養蜂家組合のツアーでヒョースホルム・ゴルフクラブを訪問することになり、わたしも参加して、環境に配慮したグリーン・キーピングを見学しました。

ゴルフ場の駐車場に着くと、緑の芝の葉が詰まった美しいグリーンと駐車場の間の白樺の並木に幾つも鳥の巣箱が掛けられているのに気づきました。巣箱はゴルフ場の至る所に400個もあって、デンマーク野鳥保護協会の協力を得て、地域の野鳥の生息調査の一環を担っています。巣箱を掛けているのは、芝の葉を食べたり地面に穴を掘ってグリーンを荒らす害虫を食べる野鳥の生息数を増やすことができるからです。特に夏の野鳥の子育ての時期にはたくさんの虫を食べるので、害虫駆除に大変役立ちます。この目的のために、ほとんどの巣箱は地面の虫を獲るホシムクドリに適した大きさのものだそうです。


巣箱
元は農耕地だった土地に造られたゴルフ場ですから、良い土壌で芝が美しく緑に成育していますが、必要のない雑草も充分な栄養を得て元気に育ってしまうのは問題です。除草剤の代わりに雑草駆除できる方法として家畜の放牧を考えました。デンマークでは緑地にスコットランド産の牛の放牧をする自治体があるほか、芝生の面積が大きな庭に羊を放し飼いにする個人住宅もあります。ゴルフ場では、牛は重いために地面に凹凸ができてしまうので、羊の放し飼いを試すことになりました。コースの一部に柵で囲んだ中に羊を放します。羊が芝も雑草も食べつくすと、芝刈り機でグリーンを仕上げます。柵と羊は別のところへ移動して、また羊が草を食べつくすと、芝刈り機で仕上げをします。始める前は「ゴルフ場に羊?」と疑惑的な意見もあったそうですが、コース上で羊が愛嬌を見せたりして、なかなか好評でもあったりして、羊のグリーン・キーピングが定着しました。


羊
グリーン・キーパー氏に案内されて、コースの上を歩いて幾つかのホールを通り過ぎて広いゴルフ場の隅までくると、明るい楽しい色に塗装された養蜂箱が見えました。養蜂箱の背後は木いちごや桜の木がゴルフ場の敷地の境界になっています。ミツバチはゴルフ場の木いちごや桜、菩提樹、白樺などから蜜と花粉を採集しながら、花が実を結ぶのを手伝っています。花が実になると鳥や動物がやってきます。花が咲き、鳥がさえずり、小動物がときどき姿を見せる、美しい自然の風景に囲まれたゴルフ場は魅力的です。さらに豊かな自然に触れることで、メディテーションの効果もあるのだとか。

「もちろん、帰宅時にはクラブハウスで自家製のハチミツを家族への土産に」とはグリーン・キーパー氏。


ホール背後の養蜂箱
空に太陽がまぶしく輝いて、デンマークも夏。北欧の美しく楽しい季節到来。









投稿者:福田さん  カテゴリー:
2013年6月19日


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