窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

自然のちから


暦の夏にふさわしく、青空に入道雲が浮かぶほど暑い晴天の日が続いているデンマークです。夏休みは2週間後に迫って、人々は半袖にショーツ、サマードレスとサンダルの装いで、既に気分だけはサマーホリデー。ところが我家は週末ごとに体全体を覆ってハチの世話。春からずっと天気が良くて平年気温を上回る日が続いているので、ハチの家族の成長も早く、ハチミツの収集も多く、急テンポで進む養蜂の行程に大忙しです。けれども6月14日には、地元の養蜂家組合の毎年恒例の遠足に参加して、のんびり小さな旅行を楽しみました。

毎年の養蜂家組合の遠足では養蜂場や養蜂家を訪ねます。今回の最初の訪問先は、隣のコムーネにある『コロニーヘーヴェ』で、養蜂家組合の一員が所有している庭を見学しました。『コロニーヘーヴェ』とは集合住宅に住んでいて庭を持たない人々が利用できる区画された庭です。始まりは20世紀初頭に郊外から都市の集合住宅に移り住んだ人々の「土に触れたい」という希望に対応するものでした。ふたつの世界大戦中には、デンマークでも食糧が不足すると、コロニーヘーヴェでの野菜の栽培が普及して、第2次世界大戦直後まで続きました。1950-60年代に景気が上向き、社会保障制度が充実してからは、コロニーヘーヴェは花木を育てて楽しむ庭としての利用が一般的になります。今日でも週末や夏の夕刻に、庭の手入れをしたり、季節ごとの花を見ながらくつろいだりする場所がコロニーヘーヴェです。もちろん、野菜を栽培している人も多く、収穫した野菜は、隣の庭の所有者と交換したり、調理して庭へ招待したゲストとともに食して楽しんだり。

コロニーヘーヴェを訪問
私たちが訪問した『コロニーヘーヴェ』は楕円形で区画された庭が特徴的でデンマークでは有名なところです。斜面の土地に幾つもの楕円形の垣根が重なって美しい景観がありました。養蜂家組合員の庭では、もちろん養蜂箱が置かれています。そして幾つもの種類のハーブや、ハチが蜜や花粉を集めるのに好む花や果実が栽培されていました。ほかの庭をのぞいてみると、緑の垣根の内側に季節の花が色鮮やかに咲いています。ちょうど、たくさんの種類のバラの花が咲き始めて、『コロニーヘーヴェ』にはデンマークの夏の香りが漂っていました。


コロニーヘーヴェ垣根と共有空間コロニーヘーヴェ美しい景観
次の訪問先へ向かい、私たちの住むシェラン島北部からコペンハーゲンの市街を迂回してシェラン島南部へ。まずは養蜂用具の販売店へ。今まではカタログでしか見たことのない用品を実際に見て触れて、同行の会員は大小様々な道具を購入。

販売店の次はシュタイナー教育(20世紀はじめのオーストリアの神秘思想家ルドルフ・シュタイナーが提唱した教育思想および実践)を実践する私立の養護教育施設を訪問です。到着すると、まずは食堂で昼食に招かれました。食堂で給仕される料理の食材は、全てが有機農法による食品です。食事の調理には施設の生徒が参加しています。施設の敷地内には、ルドルフ・シュタイナーが提唱したバイオダイナミック農法に基づいて野菜を栽培する農場もあって、そこで取れた野菜も食堂の料理に使われています。寄宿制の養護学校と保育者養成所のあるこの施設では、様々な創造的な活動をとおして、そして、自然の持つちからによって実った食材の助けを得ながら、子供達ひとりひとりの持つ能力が成長するように、生活が豊かにふくらませる教育をめざしています。

施設の創始者であり代表者はまた医師であり養蜂家です。そこで、自然の産物であるハチミツの医療における利用についての研究についても説明がありました。養蜂の技術や、ハチミツの医療利用などの経験を聞いて、自然界に存在する能力や効力を発見し、効果的に利用することが、将来の人々の暮らしの一部になるかもしれません。


遠足の最後の目的地は、シェラン島の南東に位置する小さな島にある、女王蜂の育成場でした。既に夕刻だというのに、青空の高いところにある太陽の輝きが、緑の麦の穂にきらめいて、風に揺れると大きく広がる畑の上に波の形になって動いています。女王蜂の育成場は森の合間にありました。草薮の中にいくつも置かれた女王蜂とメイドのハチの小さな家族の小さな養蜂箱を前に、デンマークをはじめヨーロッパ中の養蜂家へ送られる女王蜂の育成について話を聞きました。趣味の養蜂家はハチミツを採るための養蜂には実績があっても、女王蜂の育成は未熟で知らないことばかりですから、興味津々で、熱心な質疑応答が続きました。

女王蜂の育成場
女王蜂の育成について説明
一日の旅程を終えると、養蜂についての新たな知識を得て、満足な気分。帰途に着く前に、養蜂家が営んでいるピッツェリアに立寄り、ハチミツ入りの生地のピザをほうばって、お腹も満足。そして、わたしたちの住むシェラン島北部へ。両手に麦畑が広がる地帯を走っていると、生物学が専門という養蜂家の先輩が「さあ、これが大麦、採って来なさい」。また走ると今度は小麦、そしてオーツ麦。デンマークの夏の大地を覆う緑の畑では、異なる種類の麦が栽培されていることと、わたしたちの食べている食品の原料の形を知ることに。

麦3種青空の下で、自然と環境と生物について体験しながら、楽しく勉強した一日でした。




投稿者:福田さん  カテゴリー:
2014年6月23日


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