地球のために、明日のために
もう春の花が地面に緑の芽の先を突き出して、北欧の冬らしい厳しい寒さのないうちに温かくなるのかと、地球温暖化を考えながら2月を迎えました。ところが日本では節分を過ぎた頃、北からの風がデンマークへ吹き込んで、日中も氷点下の日が1週間続きました。雪が積もって、池や堀の水面には氷が張って、瞬く間に冬景色になりました。
毎晩、黄色いランプを点けた凍結防止剤を撒く自治体のトラックが街中を走って、翌朝早くの家庭ゴミの回収車や路線バス、通勤の自家用車や自転車が無難に道路を走れるように備えます。子供達は毎日そり遊び。両親に綱で引かれたり、斜面を滑り降りたり。クロスカントリースキーで滑るには、少しだけ雪が足りず残念でしたけれども、白い雪と氷に太陽の光が反射している明るい風景は、自然が調和する美しさがあって心を惹かれます。寒いけれども、また今年も北欧の冬を体験できてうれしくなりました。
雪に埋もれた春の草花は凍えてしまったかもしれないと、心配になり始めた頃、急に風向きが西に変わり、暖かい空気がデンマークを覆って、雪はすっかり溶けてしまいました。そして雪の下で寒さに耐えていた黄色のエランチス(節分草)や白いスノードロップ(待雪草)の花が、「春は近いよ」とささやくように咲き始めました。


まだ空気は冷たくて、屋外の活動では冬の装備が必要ですが、リンゴの栽培で知られる小さな島の、有機農法のリンゴ園を見学する機会がありました。ここでは収穫した実をつぶして果汁のジュースを製造しています。100%有機栽培のリンゴの果汁だけの、混合物が入っていないジュースです。年間に5万リットルの果汁を製産しているというのに、リンゴをつぶす行程では手作業が多くて驚きました。りんご園と果汁工場を経営する家族は、自然と自由を求めて、15年前にコペンハーゲンでの仕事を辞めて、小さな子供たちを連れて島へ移ってきたのだそうです。

りんごの島の見学の後は、日本では「自然エネルギーの島」で有名なロラン島を訪問しました。デンマークではロラン島は砂糖の製造で知られています。訪ねた施設は19世紀後半にデンマークで最初の砂糖工場として建設されて、1960年代から20年ほど製紙工場として使われていた建物にありました。1993年からは空き家になっていた建物を、地元の人々が若い世代のために利用する事を考え、「Visual Climate Center」へと改築しました。持続可能な社会と地球の未来を学ぶセンターの館内には、大きな地球儀が設置されていて、上空の衛生が撮影した写真や収集された気候や自然災害などのデータの図がプロジェクターから投影されています。訪れる児童生徒や学生たちは、様々な地球の姿を見ながら、現在の地球を学び、地球の未来を存続させるための方策について話し合います。

心地よく空調された建物から外へ出ると、冷たい空気に身体中が緊張しました。2月の空は雲っていても明るくて、季節は少しずつ春へ向かっていることがわかります。美しい春が来るように、楽しい季節がめぐるように、地球の未来は私たちの手で守らなければなりません。持続可能な平和な社会は、私たち自らの意識と行動によってもたらされるのです。
ロラン島でもりんごの島でも、初対面の訪問者を優しく迎え入れる人々の心の温かさには、うれしくありがたく、感動的でした。楽しい思い出を自宅に持ち帰った次の日に、コペンハーゲンで悲しい事件が起きました。犠牲になった二人に思いを寄せて、2月16日は全国で半旗掲揚、冥福を祈りました。
毎晩、黄色いランプを点けた凍結防止剤を撒く自治体のトラックが街中を走って、翌朝早くの家庭ゴミの回収車や路線バス、通勤の自家用車や自転車が無難に道路を走れるように備えます。子供達は毎日そり遊び。両親に綱で引かれたり、斜面を滑り降りたり。クロスカントリースキーで滑るには、少しだけ雪が足りず残念でしたけれども、白い雪と氷に太陽の光が反射している明るい風景は、自然が調和する美しさがあって心を惹かれます。寒いけれども、また今年も北欧の冬を体験できてうれしくなりました。
雪に埋もれた春の草花は凍えてしまったかもしれないと、心配になり始めた頃、急に風向きが西に変わり、暖かい空気がデンマークを覆って、雪はすっかり溶けてしまいました。そして雪の下で寒さに耐えていた黄色のエランチス(節分草)や白いスノードロップ(待雪草)の花が、「春は近いよ」とささやくように咲き始めました。
エランチス(節分草)

スノードロップ(待雪草)

まだ空気は冷たくて、屋外の活動では冬の装備が必要ですが、リンゴの栽培で知られる小さな島の、有機農法のリンゴ園を見学する機会がありました。ここでは収穫した実をつぶして果汁のジュースを製造しています。100%有機栽培のリンゴの果汁だけの、混合物が入っていないジュースです。年間に5万リットルの果汁を製産しているというのに、リンゴをつぶす行程では手作業が多くて驚きました。りんご園と果汁工場を経営する家族は、自然と自由を求めて、15年前にコペンハーゲンでの仕事を辞めて、小さな子供たちを連れて島へ移ってきたのだそうです。

りんごの島の見学の後は、日本では「自然エネルギーの島」で有名なロラン島を訪問しました。デンマークではロラン島は砂糖の製造で知られています。訪ねた施設は19世紀後半にデンマークで最初の砂糖工場として建設されて、1960年代から20年ほど製紙工場として使われていた建物にありました。1993年からは空き家になっていた建物を、地元の人々が若い世代のために利用する事を考え、「Visual Climate Center」へと改築しました。持続可能な社会と地球の未来を学ぶセンターの館内には、大きな地球儀が設置されていて、上空の衛生が撮影した写真や収集された気候や自然災害などのデータの図がプロジェクターから投影されています。訪れる児童生徒や学生たちは、様々な地球の姿を見ながら、現在の地球を学び、地球の未来を存続させるための方策について話し合います。

心地よく空調された建物から外へ出ると、冷たい空気に身体中が緊張しました。2月の空は雲っていても明るくて、季節は少しずつ春へ向かっていることがわかります。美しい春が来るように、楽しい季節がめぐるように、地球の未来は私たちの手で守らなければなりません。持続可能な平和な社会は、私たち自らの意識と行動によってもたらされるのです。
ロラン島でもりんごの島でも、初対面の訪問者を優しく迎え入れる人々の心の温かさには、うれしくありがたく、感動的でした。楽しい思い出を自宅に持ち帰った次の日に、コペンハーゲンで悲しい事件が起きました。犠牲になった二人に思いを寄せて、2月16日は全国で半旗掲揚、冥福を祈りました。