謝肉祭(カーニバル)いろいろ
福田さんの所だけではなく、ミラノも冬らしさは感じられないままに春を迎えているところです。
先週、1週間ほどドイツのフランクフルトに行って来ました。いつもならミラノと比べると驚くほど寒いのですが、あまり寒くないのです。1週間分の服は全て極寒の地で凍えないようなものばかりを用意してしまい、失敗してしまいました。
渡航の目的は毎年恒例の「アンビエンテ」、家庭用品の巨大な見本市が開催されていたからです。世界中から商品が集まります。今年は日本から沢山の出展があり ました。私がまわった所のほとんどは台所用品が集まるところでした。大変な点数の商品があって、目新しいものを探すのは至難の業、大変です。見まわしたと ころ、ほとんどが大差なく、同じ様に見えました。新鮮味のあるものが少ないです。もう、出尽くしたという所でしょうか。そうなると今度はデザインが勝負と なります。これからのデザイン傾向を読み取らないといけません。
食器だって、食べ物がのせられないとお話しにならないし、コップだって飲み物が入らなければいけません。となると、だいたいの形は決まってしまうのです。
この先求められるのは「売り方」と「表面デザイン」ということになります。
各地で調理の仕方や料理が違うから扱う食材によって必要とされるツールにも国民性が出るものですね。日本の包丁メーカーの出展が目立ち、賑わっていました。 切れる上に、美しい装飾が施された包丁ということでしょう。日本の売り場ではあまり見る事の無い模様や細工のあるものが目立ちました。国際仕様とでもいい ましょうか、面白いですね。
日本の包丁はとてもよく切れるし、扱いやすいです。それは日本人が上手に使いこなす事、そして、料理を上手に裁く事から必然的に出てきたものなのでしょう。ヨーロッパでは野菜を上手に千切りに出来る人は極わずかです。それが求められる料理がないという理由もあります。
イタリア人の友達の前で料理をすると「Oh、サムライ!」と言われます。まるで、デパートの実演販売状態ですね。
場内にいると外で何が起きているか全然わからず、ドイツにいるのか日本にいるのか、はたまたイタリアか、全然区別がつきません。
市場調査も兼ねて外の空気に触れてきました。仮装した人がウロウロしていたのでカーニバルだったのかと気付きました。イースターまでにある四旬節の断食前に謝肉祭っていうことです。復活祭から逆算してカーニバルの時期が決まります。天気も穏やかで仮装した人達が楽しそうにしているのを見るのはいいですね。

カーニバルだもの肉を食べなくちゃね、ということで、
これは5人前のウインナーやら豚の脛肉の盛り合わせ
どれもとっても美味しくて5人で完食しました!
これは5人前のウインナーやら豚の脛肉の盛り合わせ
どれもとっても美味しくて5人で完食しました!

大砲の音が鳴り響くレーマー広場
ミラノだけは他の地域と違ってカーニバルの時期は一週間後になります。
昔、ミラノの守護聖人である聖アンブロシウスが謝肉祭にミラノに戻るのが遅れたため、ミラノの人達が彼の帰りを待ってから開いたということからだそうです。
ミ ラノのカーニバルの日、天気は雨、大聖堂の広場の寂しい事ったらありませんでした。寒くて冷たい雨が降る中、ガッレリーアのガラスの天井の下、子供達が遊 んでいました。紙吹雪が風にのってコロコロ転がる様子が見えないのは、桜の散るときに雨が降るような残念な光景でした。

唯一雨の降らないアーケードの下で遊ぶ子供達
今 年のミラノ万博の会場の工事の遅れが気になります。暖冬だったために工事が中止する事無く続けることができたにも係わらず、イタリア館は開催後1ヶ月に開 館予定というお粗末な発表がありました。あぁ、たいがい間に合わせるのが上手いイタリアなのに、今回はダメなんでしょうか。
会場の様子を高速道路から見る度に溜め息をついてしまいます。温かい目で見守るしか無いんでしょうね。