Builder’s Voice 工務店・ガラス店の声

「いいでしょ?」が言えるからエコガラスがいいんです(後編)

折原雄二(おりはら・ゆうじ)
一級ガラス施工技能士。高等学校卒業後、大阪での修行を経て折原硝子店勤務。日々の業務の傍ら、17年半にわたって父親の在宅介護を続ける。1999年より真空ガラスの販売を開始。2004年ひのまるチェーンガラスグランプリ殊勲賞受賞、2008年度真空ガラス スペーシア部門拡販感謝状受賞、2011年度AGCいいまどショップ リグラスゴールドステータス認定。趣味のランニングでは各地のレースに出場、フルマラソンの自己ベスト2時間59分05秒(サブ3※)。
※サブ3とは、「3時間未満」を指し、市民ランナーの約4%が到達できる領域、"マラソンランナーの勲章"と言われています。


広告・アピール戦略には積極的に投資

ご本人の似顔絵が入ったオリジナルのチラシ。近隣向けに6500部を新聞に折り込む。「新聞屋さんから、○×新聞より□△新聞に入れる方が効果があるよ、とアドバイスをもらったこともあります」
「彩夏祭」は2日間で50万人を動員する朝霞市の市民祭り。エコガラスの展示ブース位置は市庁舎前の広場に直接面したところで「抽選でいい場所に当たりました」。
夏祭り当日は、周囲の食べ物や小物販売に負けない存在感を出すべく戦略を練る。

――新聞の折込によるチラシ配布に力を入れていらっしゃいますね。

はい。オリジナルのものと、メーカーや問屋さんが作ったものに社名を入れたものと2種類。冬場などは隔週くらいの頻度で入れ続けることもあります。お客さまはそうそうこないけれど(笑)、周囲からはだいぶ認知されますよ。

タウンページの広告掲載も、昔から続けています。以前と比べて枠を小さくしていますが、それでもやっぱり違うんです。文字にも色をつけているし。

それからフリーダイヤル。今はフリーダイヤルとホームページがないと、一般のお客さまには「このお店大丈夫かな」って思われてしまう気がしますね。実際、フリーダイヤルでかけてくる方は多いです。

――さまざまな広告手段を積極的に採用していく。

そうですね。
お客さまがこられたときには、うちを知った経緯をうかがって全部ノートに記録しています。タウンページ、携帯電話での検索、マンション管理センターの業者リスト閲覧までいろいろですよ。リピーターのお客さまであれば、その情報も書いておく。アナログですよね。

「数年前にやってもらった」とおっしゃるお客さまがこられたとき、これで確認して「◎年△月※日でしょう」と言うと、とても驚かれます。さらに「当時の価格はこうで、今は上がっています」と話せば納得してくれます(笑)

――マンションでの展示会と広告戦略の2本立てで、地域での認知度を上げているのですね。

今度初めて、地元・朝霞市の夏祭りにも出店するんですよ。周りはほとんど食べ物屋さんのテントだけど、その中にエコガラスの展示ブースを作ります。
踊りあり花火ありで人出がすごいお祭りなので、たくさんの方に来ていただけるのではと期待しています。


モットーは「体技心」。モチベーションを高め、アイディアを生む早朝ランニング

ハーフマラソンにエントリーした2011年富士裾野高原マラソン大会。1時間51分02秒で完走した(写真提供・折原硝子店)。
ガラスのニュースや仕事現場リポートの他、ブログ上にときどき顔を出すランニング日誌。楽しみながら本気で取り組む様子が伝わってくる。

――さまざまなチャレンジで仕事を楽しんでおられる、その秘訣は。

体、かな。「心技体」っていうけど、体が先。体がダメだったらなんでもダメですよね。

――本格的な市民ランナーとして、多くのレースにも参加されているとうかがいました。

月300キロ走り、昨年はフルマラソンに4回、ハーフマラソン3回、ほかにも20kmや10kmのレースに合計12回出場しました、やりすぎです(笑)
毎朝5時に起床して、その後1時間くらいランニング。走りながら自分の時間を持つんです。音楽を聴きながら今日の予定を考えたり、仕事のいいアイディアも浮かぶんですよ。
朝のこの1時間でモチベーションが上がります。

ブログにもランニング記録を載せるので、それを見たお客さまから「走ってるんですね」と声をかけていただける、会話のきっかけとなるツールにもなっていますね。

――最大の趣味であると同時に、ランニングがお仕事を支えるベースになっているんですね。

ガラスもだんだん重くなってきましたから、体がきちんとしていないとね。食生活にも気をつけていますし、何より丈夫な体に生んでくれた両親に感謝しています。

そう、今のガラス屋さんは技術よりも体、とりわけ「目」が大事なんですよ。
ガラス施工技能士の資格を持っていなくても、ガラスの扱いがわかって寸法さえ間違えなければいい。現場でガラスを切ることもほとんどなくなりましたから、昔からの技術はもういらないんです。

サッシメーカーやスーパーが窓を扱うようになったことで、ガラス屋さんならではの「プロの仕事のよさ」をわかってもらえる機会が減ってしまった。そうなると、一般ユーザーの方はどうしても大手に流れやすくなりますよね。


痒いところに手が届くプロの仕事で、お客さまに選ばれ続ける

高齢化し、若い人もあまり継がなくなったガラス業界は大変、と表情を曇らせる。「もっと魅力を持つように我々がやらなきゃいけないよね」
修理したガラスの残りで作ってみたというガラスのマウスパッドは、シンプルで使い勝手もよい。「展示会で売ってみようかな、ワンコインで」と笑った。

――そんな時代にあっても、折原硝子を選ぶお客さまは確実におられます。

確かに、他社と相見積をとって僕の方が高い場合でも、来てくださるお客さまはいます。うれしいですね。

――その理由は何でしょう。

結局はアフターサービスとか、何かあったときのフォロー、そして気配りですかね。
スーパーとかはある意味「売りっぱなし」。ただ安いだけで専門知識もない。地元のガラス屋ならいざというときに安心だ…そう思っていただけるんじゃないでしょうか。

痒いところに手が届くというか、細かいこともやれますから。クレームが出ればすぐにとんで行くし、エコガラスに交換する工事の際にはサッシの掃除もします。

――リピーターの方もたくさんおられますね。

リピーターのリピーターもね(笑)
最初の工事が終わった後、網戸の張替とか戸車の調子が悪いとかいろいろ出てきたときに、うちの折込チラシを見かけることもあるでしょうし、何かあったら来ていただけるのかもしれません。

知り合いに聞いたから、と言ってこられる方もいます。何かのついでで話が出たとき、OBのお客さまが「折原さんがいいよ」って紹介してくださることも、あるんじゃないでしょうか。

――窓の困りごとならいつでも任せられる、ご近所の頼りになるプロという感じです。

僕の人柄は関係ないと思うけどね(一同笑)


取材日:2012年7月23日
取材・文:二階幸恵
撮影:渡辺洋司(わたなべスタジオ)
有限会社折原硝子店
有限会社 折原硝子店
埼玉県朝霞市
社員数 2名
業務内容/高機能ガラスへのリフォーム・ガラス割替と鏡取付・サッシメンテナンス・網戸新規取付及び張替・窓辺の断熱と防音リフォーム・アルミサッシのリフォーム

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