窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

黄金の10月に

朝起きて、ネッカー川や下の通りに深い霧が立ちこめているのを見ると、心がはずみます。
11時頃には決まって霧がすーっと晴れていき、すばらしい青空が広がるからです。気温も日中は20℃近くに上がります。

こんな上天気の10月を「ゴールデン・オクトーバー」とドイツの人たちはいうのですが、毎年この時期は、なんだか、みんな、にこにこして、「ゴールデン・オクトーバーね!」が挨拶代わりになります。
そこには、収穫がそろそろ終わりに近づいた季節のうれしさ、紅葉の美しさをよろこぶ気持ち、そして、失せていく太陽の光を惜しむ心、さまざまなニュアンスが込められているようです。

そして、たくさんの催し。
10月 3日はドイツ再統合記念日。今年でもう20年、さまざまな行事がありました。
4 日は 200周年を祝って大盛況だったミュンヘンのオクトーバーフェストのフィナーレ。17日間の会期中、640万人の来場者が飲んだビールは 700 万リットル(前年より 50万リットル増)、消化した牛は 117頭、子牛は 59頭(その他、ソーセージやパン、伝統の炒りアーモンド etc.)、消費エネルギーは、電力 270万kWh(1100世帯の年間消費量に相当)、水1億リットル(人口 133万のミュンヘン市全体の1日当たり消費量は 320億リットル)、調理・給湯用天然ガス 20万立法メートル(85戸の戸建て住宅の年間暖房・給湯用消費量に相当)--------といった数字が閉会後さっそく主催者から発表されました。

そんな大きな催しもあれば、ちいさな町の広場で開かれる郷土物産市やりんご祭り、ジャズやクラシックのフェスティバル......。
目白押しです。

キッチンの窓から下の通りを行き交う人たちを眺めながらわたしはいつも感心します。
ドイツ人て、ほんとうに、市(いち)や町まつり、あつまって飲んだり食べたりのイベントが好きなんだなあ。

広場や通りにたくさんの細長いテーブルや長椅子(その名もビール・ベンチ)を運び込み、パタパタと並べ、ステージや屋台を組み立てていく、終わると手際よく片付ける。都市の空間をテンポラリーに変化させて使い回す。慣れているんですね。
それらの催しを支えているのは、行政や商店会だけではなく、星の数ほどもある市民団体。
「フランス人は 3人あつまるとピクニックに出かけるけれど、ドイツ人は 3人あつまると団体立ち上げの相談をはじめる」などと言って、ドイツ人は笑っているのですが、スポーツや趣味、文化、社会福祉、環境自然保護など、さまざまな分野のさまざまな団体の網がドイツ社会のなかに張り巡らされ、機能しています。

共通の活動目的を持った人たちが 7人以上あつまって団体登録し、会費で運営する、そのようなグループにとって、町の行事は自分たちの活動を PRするチャンスであり、会費だけでは不足がちな活動費を稼ぐチャンスにもなるのですね。
クリスマス・マーケットともなると、そのような団体が年間活動の締めくくりとでもいうように、街なかいっぱい屋台を連ね、郷土史クラブのおじさんたちがソーセージを焼いていたり、幼児共同保育のグループが手づくりおもちゃやジャムを売っていたりします。
観光客目当ての大規模なクリスマス・マーケットなどには決して足を向けないわたしでも、テュービンゲンの市民による市民のためのマーケットには友人と誘い合って出かけます。

環境保護先進国、とか、再生可能エネルギー推進国、などとドイツがいわれるようになったのも、このような各地のちいさな市民団体のちいさな活動がネットワークされ、積み重なった上でのことです。ソーラーおたくのようなおじさんグループとか、風力発電フリークの農村青年グループとか、小規模水力発電所をセルフビルドでつくっている男たち ------- そんな人たちにどこへ行っても出会える、これが、わたしがドイツに居つづけてしまった理由かもしれません。

省エネルギー幼稚園の建設現場見学に出かけられたコペンハーゲンの福田さんも、上海帰りの木原さんも、それぞれの都市の古い建物と新しい建物の共存をレポートされていましたね。
わたしの住む町でも、躯体の補強や断熱も含めた町家の修復が 1990年代から進められています。15世紀、16 世紀に建った家も少なくありません。新しいもので古い部分を被ってしまう、取り替えてしまうのではなく、柱の補強部分や木釘など、20世紀、21世紀の修復がはっきりと目に見えるかたちの手の入れ方です。
来年には、近所の1496年築の建物の断熱・窓の補修・外壁の漆喰の塗り替え、といった改修が予定されていて、その進行がとってもたのしみです。
これも団体登録した男たちがゆっくり時間をかけて進めるプロジェクトのひとつです。

 
IMG_2814.jpg

「ネッカー川のあひるレース」です。
ゴム製のあひる(こどもがお風呂に浮かべて遊ぶおもちゃのアレ、です)たちをスタート地点の橋の上から水面めがけてどさーっと投げ落とし、どのあひるが早くゴールに到着するかを競わせる「賭け事」です。
あひるには背番号が付いていて、それぞれに賭け主がいます。1匹、3ユーロを出して、登録した「市民誰でも」賭け主です。
 
主催者は福祉サービスを目的とする青年たちのグループ。市長が名誉総裁になっているようです。

12年目を迎えた今年は、6255匹が出場。選手たちはゆるやかな川の流れに乗り、黄色い絨毯のようになって、ゆるゆると進みます。
まったくの流れまかせ、どの選手が1等になるかなんて、だれも予想できません。約 45分のレース展開です。



選手たちが岸辺の草に引っかかったりしないように伴走しているのは、カヌー同好会所属のこどもたち。ときどき、カヌーがひっくり返って水中に、なんて芸当も見せてくれます。両岸を埋めるギャラリーのなかで、我が子の晴れ舞台を撮らんとパパやママが  カメラを構えています。

300位までに入った選手に賭けた人たちは、市内の商店有志が寄付した食事券や商品券、さまざまな商品を受け取れます。 
収益金は、地域の病気の子供たちの生活支援やネパールやアフリカの教育施設建設資金などに贈られます。
水から上がった選手たちは、障害者福祉作業所にまわされ、そこで「健康チェック」を受けます。問題が見つからなければ、来年のレースまで待機することになります。
誰も負けることのないテュービンゲン発ウィンウィン・レース、他の町にも伝わり、広がっているようです。


投稿者:森さん  カテゴリー:
2010年10月12日


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2011年夏から協会に参加。省エネ担当。技術開発出身で戸惑うことが多く、右往左往しています。ミステリー、オーディオとペットとの散歩が趣味。

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南ドイツの小さな大学町テュービンゲンで「競争するより協同で」を教わりながら育つ。暮らしの中や旅路で出会う人たちの人生の多様性に魅了されています。

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