窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

グリーンでクリーンなエネルギー

デンマークは新年から暖かい日が続いて、年末の大雪の跡は全く消えてしまいました。
2月に入ってからは夕方4時を過ぎても明るく、太陽の光にも眩しさが戻ってきて、穏やかな晴れの日には楽しそうな小鳥のさえずりが空に響いています。
梅に鶯の「立春」のイメージを思ったりして。雪の消えた地面には昨秋の落ち葉が残っています。その下から、春を告げる小さな花が顔をのぞかせ始めました。
 

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森さんの写真では、日射しの強さから、やはりドイツはデンマークより南に位置しているのだなと感じます。
それにしても、ヨーロッパの大地を流れる雄大なドイツの川は、水量が多いので水力発電が可能なのでしょうね。
デンマークでも百年ほど前に既に水力発電が開始しています。日本の水力発電施設のような大規模なものではありませんがダムによって川をせき止めた貯水湖の水量を活用して発電するものです。
デンマークの地形は平坦なうえに、河川の規模が小さいので水力発電には向いていません。そこで長年、デンマークの発電は火力が主なエネルギー源になっていました。
 
1970年代の石油ショックでエネルギーの供給が不足したデンマークでは、1980年代に石油に代わるエネルギー源として原子力が国会で検討されました。
しかし、全国の国民による反対抗議運動があって、今日でもデンマークには原子力発電所がありませんでした。
これが機会になって、その後、代替エネルギーの開発が進められるようになり、1990年代半ばに風力発電による電力供給が可能になりました。
現在、デンマーク全国の電力消費量における風力発電からの供給は約25%に達しています。
 
デンマークでも他のEU諸国と同様に、電力の購入が自由化されています。
電力購入が自由化されてから、電力供給の基本料金を安めに設定した新企業が発足して、こうした会社から電力を購入する家庭もあるようです。
この自由化への行程において、100年ほど前にデンマーク全国に電力供給を行うために、国の発電公社と地方自治体が設立した電力網管理会社と電力供給会社が、それぞれ民営化されました。
 
私の住んでいるデンマークの首都コペンハーゲンの北側の郊外では、デンマークの東側の電力網からの電力供給を受けています。電力供給会社の精算書の裏側に 発電のエネルギー源の割合を表示しています。昨年12月に受け取った精算書では2009年にデンマークの東側の電力網で供給された電力における統計が記載 されていて、石炭による発電が40%、天然ガス17%、代替エネルギーである風力、水力、太陽光による電力が18%、廃棄物焼却、バイオマス、バイオガス による発電が13%、石油による電力は5%、原子力発電は7%でした。
 
風力発電の割合が少ないのは、首都コペンハーゲンを含めて電力の消費が大量であるのにも拘らず、近海に大規模な風力発電所が少ないからです。
また、デンマークでは石油や原子力での発電は行われていませんが、風が吹かない穏やかな夏の日などには、隣国の電力網のつながっているスウェーデンやドイツ、ノルウェーから電力を輸入しています。
ちなみに湖水の豊かなスウェーデンでは水力発電が盛んで、スウェーデンからの輸入する電力は水力によるものです。全国の年間の統計では、発電量が消費量の124%で、余剰は隣国へ輸出されています。
 
10年ほど前には「グリーン証書」導入も検討されて、消費者は電力のエネルギー源を選択可能になるのだという話もありました。
ところが政府のエネルギー政策に基づいて、デンマークで供給され消費されるエネルギーは代替エネルギーに移行しつつあることと、グリーン証書制度を導入するには複雑な法的改正が必要であることなどがあって、グリーン証書導入は見合わせられることになりました。
 
天気の良い日に海岸に立つと、ウアスン海峡をはさんで対岸に立っているスウェーデンの原子力発電所が見られます。
こ ちら側のコペンハーゲンの湾岸には幾つもの火力発電所があって、高い煙突からモクモク煙が出ています。典型的な大都市の海岸沿いの灰色っぽい風景で、今で は石油や石炭の代わりに廃棄物焼却やバイオマスがエネルギー源になっているのだと知っていても、ここで発電される電力を使っているのだと考えると、地球に 負荷をかけて申し訳ない気分になります。
これらの発電所の煙突の合間に、コペンハーゲン沖の洋上ウィンドファームや海岸に立つ風力発電機の白い長い羽が回っているのが見えています。
青い空と海を背景に、ゆっくりしたリズムで羽が回る穏やかな姿に、グリーンでクリーンな未来が垣間みれるような。


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大西洋からの嵐が通り過ぎたら、ノルウェーからの寒気が降りてきて、冬が「ふりだしへ戻る」みたいです。
顔をのぞかせた春の小さな花たちは、凍えてしまうのかな。
池や湖の氷は、一部が溶けて白鳥や鴨が戻ってきたといっても、溶けずにいる氷はまだ厚いようだし。北欧の春は、まだ遠し。
  


投稿者:福田さん  カテゴリー:
2011年2月14日


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