窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

若者たち


次第にピンクに染め上げられていく日本列島。こんなに美しい気象図、他にあるかしら、と桜の開花
予報図を眺めながら、その花の下を行く1年生のことなど、思っています。

こちらは毎年恒例の「やったぜ、ABI!」騒ぎの真っ最中。
ABI(アビ)というのは、大学入学資格(Abitur アビトゥーア)の略で、大学およびそれに準ずる高
等専門学校で勉強する能力ありと国が認める資格です。ドイツの大学はわずかな例外を除いてほとん
どが公立ですが、大学個別の入学試験はなく、各州が一斉に実施するこのアビトゥーア取得試験に通
れば、自分の都合に合わせていつからでも、全国どこの大学でも、希望する学科で勉強する権利が得
られます。
最近は状況が変わってきていますが、多くの人は、アビトゥーアに合格して高校を卒業すると、すぐ
には大学に進まず、まず、兵役か医療や福祉の現場での社会奉仕(今年からこの義務は廃止されまし
た)に就いたり、外国でのインターンシップや語学習得など「学校や家庭の枠」の外に飛び出してい
きます。大学生になる年齢も在学年数も、人それぞれ、リクルートスーツはドイツに存在しません。

ドイツの教育制度は小学校から大学まで日本のそれとはかなり異なり、進学や就職、子どもが大人に
なっていくプロセスにも大きな違いがあります。その上、制度改革が進行中ですので、このへんで、
「やったぜ、ABI!」騒ぎに話を戻すことにします。

3月末にアビトゥーアの筆記試験をクリアした若者たちは、残る口頭試験を前にひと騒ぎします。
公園や広場にあつまり、歌って踊って、ビール飲み放題、深夜のディスコで朝まで「ABIパーティ」、
ほんとうにお騒がせなのです。彼らが排出放置するゴミや空き瓶、騒音、並大抵ではありません。
6月の「本騒ぎ」には、揃いのT-シャツを着込んだ「今年のABI 連」が荷台にDJを乗せた小型トラッ
クから流れる大音量とともに、狭い旧市街の通りを踊り、奇声を発しながら、パレードします。

でも、町の大人たちは、なんとなくそれを大目に見ているんですね。
たいへんだったね、「ABIストレス」。ああ、自分たちも若いころやったっけ、おめでとう、そんなふ
うに。今年も咲いたなあ、と同じような、若者たちの門出を祝う季節感を味わってもいるようです。


ABI 騒ぎの最中、テュービンゲン市役所の「環境保護・気候保全課」に、わたしの娘の友人マティアス
君を訪ねました。彼のここでの半年間のインターンシップがそろそろ終わり、と聞いたからです。
彼が指差しているのは、同課が市民に配布している節電・低炭素化のための日常生活ガイド。家電製品
の選択・使用法、電力消費測定器の貸し出し、カーシェアリング・・・さまざまなテーマがあります。


娘の友人マティアス 君

環境保護・気候保全課は、それを政策の第一課題に位置づけるテュービンゲン市長の直轄部署。4人
の課員+1~2人の実習生がサステーナブルな都市づくりの「ハブ」としての機能を担っています。
環境意識や省エネルギー行動、気候保全行動の推進プログラムの作成と実施、フェアトレードと地産
地消の促進、環境自然保護団体との恊働・・・仕事は多岐にわたります。

大学で哲学を専攻し、卒論には「法治国家における法と倫理」を書いたあなたが、ここでの実習を選
んだ理由は?
「ずっと抽象的な勉強をしていたから、何か、具体的な、実際的なことをしたくなったんだよ。それ
と、高校のとき、再生可能エネルギーについての課外プロジェクトに参加して、それがとてもおもし
ろかったから。ここの実習には地理学や生物学を勉強した人も来るけれど、環境の問題は誰にでもで
きる、要は、それに興味を持っているかどうか、おもしろがれるかどうか、だね」

3か月だった実習期間をさらに3か月延長、この半年間、どんなことをしたの?
「町まつりにフェアトレードのキャンペーン屋台を出したり、市内小売店対象の店舗照明節電(70%
ものポテンシャルがあるんだよ!)講習会の準備、気候保全プログラムのフライヤー作成、町のエネ
ルギー収支データの作成・・・いろんなことを勉強しながら経験したなあ」

これから何を?
「さらにこの分野でやっていきたい。大学で一から勉強することも考えている」


こちらは、工務店経営資格を修得中のダニエル君。
彼は町の近くの森を「砂場」がわりに育った青年。森のことならどんなことでも知っています。有機
農法農場に住み込んだり、木造伝統工法の大工修業もしてきました。
今日は、ネッカー川の橋の上で、広葉樹の森を守ろう、再生紙を買おう、と道行く人に訴えています。
グリーンピースの広報活動です。
グリーンピースというと日本では「過激な団体」イメージが強いですね。でも、日々の地道な活動を
つづける地域グループも多いのです。わたしの眼医者さんはその機関誌を定期購読し、待合室にファ
ッション雑誌などと並べて置いています。これも環境保全への支援のひとつのかたちです。


工務店経営資格を修得中のダニエル君



投稿者:森さん  カテゴリー:
2012年4月16日


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2011年夏から協会に参加。省エネ担当。技術開発出身で戸惑うことが多く、右往左往しています。ミステリー、オーディオとペットとの散歩が趣味。

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ミラノに22年目、古いものと新しい物が混在する面白い町です。日本のみなさまに何かお伝えできることがあれば嬉しいです。

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南ドイツの小さな大学町テュービンゲンで「競争するより協同で」を教わりながら育つ。暮らしの中や旅路で出会う人たちの人生の多様性に魅了されています。

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