窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

南からの風にのって


東京では大雪だというのに、北欧のデンマークでは暖かい冬が続いています。1月中旬の寒気の襲来の後もう一度だけ、2月初めに北極からの風が吹き込んで、急に寒くなって、氷が張って、雪が降って積もりました。その日の夕方、わたしは近くの森でクロスカントリースキーをしましたが、すぐに風向きが西に変わると気温が上昇して雨が降って、冬の景色は全く消えてしまいました。白い雪の下から芝生や道端の野草が現われて、地面が緑色に。雪や氷の日が少ない暖冬を、デンマークではグリーン・ウィンターとも称しています。丘の斜面を活かしたミニ・スキー場では今年は緑のゲレンデ。それでもノルウェーやスウェーデンあるいはアルプスへのスキー旅行前の足慣らしに、たくさんの訪問客でにぎわっている様子がテレビのニュースで紹介されていました。

温かいけれど雨が多いので、商店街での買物のほかは、近隣を散歩したり、ランニングするだけで、住まいのある地域の外へ出かけることがありませんでした。停滞していた雨降りの前線がやっと去って、厚い雲が切れた日に、港まで自転車で。青空ものぞいて、空気は冷たいけれど、少しだけ春の気分です。森でも港でも、散歩に来た人々と笑顔で挨拶を交わします。


明るい太陽港の青空港のプロムナードを散歩

そういえば、先月は港へ行く途中で雪が降り始めたことを思い出しました。雪が降っていると言うのに、茅葺きの屋根の葺き替えをしている家がありました。大掛かりな家の修理や工事は、天気の良い夏にするのが一般的だと思っていましたが、冬でも雪が積もったり霜や氷が無ければ可能なのでしょう。それにしても冷たい雪が顔に風に吹き付けられると痛いくらいなのに、そんなことなど気にせず黙々と束ねられた茅を屋根に載せていく手際よさに感心してしまいました。


茅葺き屋根
今日は同じ港までの道から瓦の葺き替え工事が見られました。大きな家の広い屋根には、新しい天窓が付けられています。瓦の葺き替えに併せて、断熱層を増すのと同時に、天窓や出窓を設けて、屋根裏を有効利用するのでしょう。つい最近まで、屋根裏の利用方法は日常使わないものの収納くらいでした。家屋によっては、収納に使っていなくても、明かりとりの天窓が設けられている場合もあります。建物に煙突があれば、一年に一度は煙突の掃除と点検のために、煙突掃除屋さんが屋根裏に入ることもあって、屋根裏が暗くないのは便利です。


瓦の葺き替え
1990年代後半に断熱材や天窓の断熱効果が向上すると、15年ほど前からは、屋根裏の居住空間としての利用が普及してきました。屋根の断熱材を増して、天窓を設け、壁にも断熱材を付加して、夏でも冬でも快適な室内環境が保たれています。用途は仕事部屋であったり、子供部屋であったり、客人の宿泊する部屋であったり、様々です。コペンハーゲンの旧市街にある20世紀初頭に建てられた集合住宅では、以前は洗濯場や収納室に使われていた屋根裏が学生用のスタジオタイプのアパートに造りかえられたところもたくさんあります。

晴れてまぶしい空が、屋根の上方に広がっています。寒くても明るさが一日ごとに増していくから、春の予感がうれしいのが2月。太陽の温かい光を背中に感じながら瓦の葺き替え中の屋敷の前に立ち止まっていると、たくさんの小鳥達のさえずりが聞こえます。屋敷の庭にある大木に巣箱が掛けてあって、数羽のヒヨドリが巣箱の周囲を飛び交ったり、枝に止まったり。そういえば2月は小鳥達が春の巣作りのための場所を探し始める時期。どうやら住まい探しのヒヨドリ達が、良い物件に目をつけて集まっているようです。

巣箱
雪解け後の路地や庭先には、黄色のエランチス(節分草)や白いスノードロップ(待雪草)の小さな花がたくさん咲いています。南からの風にのって訪れる春を、迎える準備が始まりました。

北欧の春はゆっくりとやってきます。毎年「今日もエコ日和」で、まずはイタリアの上山さんから、そしてドイツの森さんから、春の便りがあると、わたしの住むデンマークにも近づいている春を楽しみに待つものでした。けれども今冬のデンマークは温かくて、南からの便りを待たずに春になりそうです。
しかもドイツの森さんからの便りは、もう来ないことになりました。環境やエネルギーをはじめ様々な社会問題を意識した森さんの活動の様子を日本板硝子協会と「今日もエコ日和」の編集担当の方々からうかがっては、その積極的な姿勢に地球の住民のひとりとして尊敬してしまうほどでした。その敬意を御本人に直接述べる機会が逸してしまったことが大変悔やまれます。
森さんと一緒にドイツに住まわれた娘さんには、ドイツの友人知人、日本の家族や友達、そして、これから出会う世界中の人々とともに、夢の大きい豊かな未来を築かれますように。森恵さんの御冥福を心よりお祈り申し上げます。





投稿者:福田さん  カテゴリー:
2014年2月18日


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2011年夏から協会に参加。省エネ担当。技術開発出身で戸惑うことが多く、右往左往しています。ミステリー、オーディオとペットとの散歩が趣味。

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