窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

空と海と大地


もう来週から学校の新学期が始るというのに、暑い日が続いていた8月初めに、我家は遅い夏休みを取って、フランスを10日間旅行しました。フランスに住む友人家族と日本からの友人家族とノルマンディで合流です。コペンハーゲンから飛行機でパリに着くと、午後4時だというのに、現地の気温は30℃で、強い陽射しは肌に焼きつくようです。ノルマンディへ向かう電車に乗る駅まで、空港からのバスを降りて10分ほど歩くだけで、汗だくになって、デンマークの海風が懐かしく思えました。

パリから2時間ほどで着いたノルマンディの街に降りると、空気は冷たく感じられるほど。共同で借りた別荘に到着すると、既に他の2家族は夕食の用意を始めていました。今年はノルマンディ上陸作戦から70年目。6月には盛大な記念行事が催されて、デンマークのニュースでも、その様子は報道されたほか、ドイツやフランス、イギリスやアメリカで制作されたドキュメンタリーのテレビ放映もありました。まずは、フランスのビールと私たちの提供したデンマークのビールで乾杯。そして、食事をしながら、訪問場所を話し合いました。まずは別荘に近いユタ・ビーチ。

Utha-Beach
ユタ・ビーチは広大な砂浜で、世界中からの観光客が訪れています。砂浜では日光浴や海水浴を楽しむ家族がたくさん見られました。遠くから寄せる波は、水遊びをする子供達の腰の辺りまでの高さです。水泳をしている大人が立ち上がると、砂浜から遠くに離れているのに、水は肩の辺りですから、どこまでも浅瀬が続いているのだと分かります。兵士達は船から降りると、膝まで海水につかりながら、数百メートルを歩いたのでしょう。そして、多くの兵士が砂浜に到着する前に、ドイツ軍の迎え撃つ銃弾に当たって倒れてしまったのです。岸には米兵への感謝を表す記念碑が幾つもあって、また上陸記念館ではノルマンディでの戦闘の様子が展示されていました。

私たちはイギリス空軍が爆撃した跡の残る切り立った岸壁やオマハ・ビーチも訪問しました。幾つものドイツ軍の大砲台や監視場所の合間には、爆弾の爆発でできた丸い穴が数えきれないほどあります。美しい青い空と海を背景に、大地には悲惨な歴史が刻まれたのでした。今は緑の草に覆われ、野草の花が海風に揺れています。70年前に連合軍とドイツ軍の多くの若者がむなしく命を落とした場所に来てみると、彼らの墓地も訪問してみたくなりました。

真っ白な大理石の十字架が緑の芝生の上に整然と立ち並ぶ、美しいほどの米国兵士の墓地は、青い海を望む岸壁の上にありました。ここにはノルマンディでの戦闘で亡くなった9387の兵士の墓があるのだと言われています。墓石に刻まれた生年月日と没日から、多くの兵士が20代前半から半ばであったと分かります。ノルマンディ上陸作戦の過程を示す大きな地図と背の高い像のある記念碑は、勇敢に戦った兵士達に感謝を表す象徴です。平和をもたらすために命を落とした兵士達は英雄として讃えられています。


オマハ・ビーチ
米国軍兵士の墓

海岸を離れて内陸に続いている高速道路を走ると、道路に沿った並木の木が全てが同様に苅り揃っているのに気づきました。シンプルな幾何学的な形からドイツのデザインみたいだと思っていると、そこはドイツ軍兵士の墓でした。高速道路沿いの目立たない控えめな場所にあって、米国軍兵士の墓に比べると、たいそう小さな敷地です。芝の上にはセメントでできた黒い十字架が肩を寄せ合うようにして並んでいます。そして、ふたりまたは3人の名前の刻まれた焼き物の質素なプレートが、墓石の代わりに据えられていました。ここには21300人ほどのドイツ軍兵士が葬られているのだと言われています。そして、ノルマンディで倒れたドイツ軍兵士のうちには15歳の少年もいました。米軍兵士の墓の上にあるのと同じ青空の下にあるのに、敗れた侵略軍の兵士達の質素な墓には静寂な空気が感じられます。

ドイツ軍兵士の墓
ドイツ軍兵士の墓を訪れた後、私はとても悲しくなりました。けれども訪れて墓を見て、空気を感じて良かったと思いました。そして、国家の誤った政治のために、多くの若者が犠牲になるようなことがあってはいけないと、一緒に訪れた友達と共感をともにしました。

さわやかなノルマンディの風に暑さを忘れた夏休みを終えて、デンマークに戻ると、もう秋が来ていました。








投稿者:福田さん  カテゴリー:
2014年8月30日


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