事例紹介/リフォーム

ようこそ、我が家へ 〜西日もへっちゃら!リビングにはエコガラスの大開口〜

開口部にこだわった新築レポート -埼玉県 T邸-

Profile Data
住宅形態 鉄骨造2階建
住まい手 夫婦+子どもふたり
建築面積 83.20m2
延床面積 156.98m2

ほぼ真西を向いて建つT邸。視線の先は見沼田んぼの緑地帯を含む一帯を見下ろす。西側を南北に流れる芝川から約10メートルほど高くなった傾斜地で、眺望を遮るものはない

遮るもののない高台に建つ、西向きガラス張りリビングの家…ちょっとびっくりしませんか? 直撃する西日をエコガラスと知恵とで、見事プラスに転換した住まいを訪ねました。

敷地は、首都近郊に残された大規模緑地帯として知られる<見沼田んぼ>の東斜面にあたります。
沈む夕日からの日射を、一年を通してまともに受ける土地。しかし首都圏内でそうは得られないその眺望を、住まい手は選んだのです。

「以前住んでいたマンションで、西日の大変さはわかっていました。だからこそ、エコガラスを積極的に取り入れ、対策しようと考えたのです」迎えてくれたTさんの言葉です。
完成したのは<フラット35Sエコ>の対象として認められる、高い省エネルギー基準をクリアした家でした。


内と外とが連続するリビングは西側全面ガラス張り

リビングからの眺め。住宅地や緑地を隔てて、大宮ソニックシティの夜景も見える。バルコニー左手に張り出す袖壁は隣家との境界を遮断し、眺望を整理するとともにプライバシーを保つ
1階主寝室の窓からも高台からの眺めが
天窓からのトップライトで明るい階段ホール。居室の壁にはめ込まれたガラスの欄間を通して、寝室や子ども室まで光が届けられる

当初から不動だった家づくりのイメージは<のびのびとして、内と外がつながるリビング空間>。見沼田んぼを経て大宮ソニックシティまでを見晴らす風景も、無論ここには欠かせません。西側に大開口をもつ2階リビングは、T邸の必然でした。

玄関からすぐの吹抜け階段を上がると、ガラス張りのリビングダイニングが広がります。家族の生活の中心はこの2階。
東西方向に延びる27.5畳の空間は、奥にワークスペースを隠したキッチンからテレビのあるリビングまでを直線的に配し、天井まで届く大きな窓からの眺めと光を等しく享受しています。
「冬には、キッチンから富士山も見えるんですよ」奥様がにっこりしました。

窓の外に続くバルコニーは奥行き3メートル以上。リビングの床と同一のレベルにすることで室内からの連続性が強められ、屋外にもうひとつリビングがあるようです。
「時々ダイニングテーブルを出して、お茶やお酒を飲んだりしています。今は備えつけの家具を検討中。ソファーを置いてリビングっぽくしようかと考えています」

リビングの大空間を載せる1階には主寝室と子ども室、書斎そして浴室が配置されました。2階と同じくどれも西側に窓がありますが、上階のバルコニーが張り出すことから2階と比べて採光は少なめです。

それを補うためにつけられたのが、吹抜け階段上部の天窓でした。
「朝はここのロールスクリーンを開けることから始めます」と奥様がおっしゃる東側の天窓は、朝日はもちろん、午後になっても柔らかなトップライトを1階まで落とし続け「なかったらどうなっているんだろう、と思うほどの暖かさで、とても大事な光」となりました。

さらに階段ホールと居室を分ける壁にガラスの欄間をつけることで、主寝室にも子ども室にも光の恩恵が届けられています。


高機能のガラスとスクリーンで、西日はもうこわくない

階段上部のエコガラスの天窓は東向きに角度がつけられ、一年を通じて朝を告げる光を取り込む。「就寝前は一応ロールスクリーンを閉めますが、冬場も冷気が降りてくることはありません」
バルコニーの軒の出は2メートルを超え、夏の日中に照りつける日射をシャットアウトするとともに、少々の雨なら窓を開けても室内に降り込まないようになっている。デッキ中央の空隙には、1階から伸びるシマトネリコがやがて顔を出す
日射遮蔽しながら視界を失うことのないロールスクリーンは、施主自ら探し当てたもの。西日が回り始めると、リビング側から順に下ろされていく
リビングからダイニング、キッチン方向を見る。白とダークブラウンの色調にPHペンダントライトがつけられたシンプルな北欧スタイルの空間だ。無垢フローリングの床は床暖房なし。「最初は考えましたが、足元が冷えることもないし、必要なかったです」奥様は一年を通して裸足で過ごす

大開口から直射する西日。いうまでもなくT邸最大の課題は、どのようにクリアされているのでしょうか。

夏の朝、太陽光は吹抜けのトップライトから射し込んだ後は高度が上がり、室内には入りません。午後になってもバルコニーに大きく張り出す軒のおかげで、リビングはしばらく日陰が保たれます。

問題はやはり日が傾き始めてから。「午後1時から3時よりも、4時くらいの時間帯の方が暑くなりますね」とTさん。

軒からはずれ、正面から西日が射し始めると、リビングの窓にはロールスクリーンが下ろされます。
ご心配なく、大切な眺望はそのままです。透けながら遮熱する高機能な生地でできているのです。

「限りなく薄く、見た目を軽やかにして、機能的に遮熱するものを探しました。圧迫感もないです」
Tさんのおっしゃる通り、床まで完全に下ろしても窓外の風景は失われず、リビングの開放感がスポイルされることはないのでした。

興味深かったのがスクリーンの下ろし方。「家族がリビング中心に居るので、そちらから順に下ろしていきます」とTさん。スクリーンは最低限にして開放感を保ちたいという意思がうかがえます。

直射の西日を受けて、窓ガラスの表面は熱くなったりしませんか? の問いにも「それほどでもないですね。スクリーンのあるところとないところでの温度差もあまりないし、思った以上に効いているなあという感じです」
エコガラスの遮熱力も、スクリーンに負けず本領を発揮しているようです。

冷房は東西に2台あるエアコンが担当しています。最も暑い時期にのみ両方稼働し、通常は「起きてから寝るまで終日<1台で最弱モード>。西日が強いときだけ少し強めにするくらい」
エコガラスとロールスクリーン。ふたつの高機能要素による西日対策の効果を示す、Tさんの言葉です。

冬期については、奥様から予想外のお話がいくつも飛び出しました。

「冬は西日を大切にしています。ものを干しても良く乾くし、観葉植物も生き生きしています。ワークスペースは昼間は子どものおもちゃ部屋になっていますが、西日が入ると明るさが続いて、子どもたちがずっととどまってくれるんです。ワークスペースは鰻の寝床のように細長い部屋ですが、こういうところは西日を使った方が良いのでは」

さらに、夕方でもリビングのロールスクリーンを上げておくのが気持ちいいです、とにっこり。エコガラスの遮熱力とバランスし、不快な西日転じて快適なひだまり空間となっているのでしょう。

エアコンも夏同様に最弱モードですが、勝手に止まっていることもよくあるそうで、室温調整がうまくいっていることがうかがえました。

電気料金は一番高い2月で2万円代後半くらい。
延床面積47坪、大きな開口部、リビングのほか1階全居室と浴室にもエアコンがあることを考えれば、暖冷房コストの低さが実感される金額と言えそうです。「正直、こういう家は機能性の高いガラスでないと無理だと思います」

それから、とTさんが苦笑しながらつけたしました。「水槽で使うヒーターで5,000円以上は出ていますね。つけるとドッと上がるから」
目をやったリビングの水槽では、Tさんが丹精して育てる美しい珊瑚が、花のように揺れていました。


考え、工夫し、楽しんで住みこなしていく

2階南側は、リビング奥と階段踊り場上部の2箇所に縦長の窓が切られた。採光とともに通風上の重要な役割を果たしている
踊り場の窓は上下が外に向かって開き、中央はFIX仕様
タイル張りの浴室は手前の洗面スペースともガラスで仕切られ、開放的。デッキから直接外に出ることができ、夫婦で精を出す庭づくりでかいた汗をそのまま流すにも好都合

大きな開口、たくさんの窓を持つ家をいかに楽しみ、心地よく暮らすか。Tさんご一家の<住まい術>は、西日対策だけではありません。

気候の良い春や秋、そして夏の朝は家中の窓が開けられます。バルコニーの掃き出し窓はもちろん「リビング南側の縦窓を開けるとすごく風が通って気持ちがいいです。窓の高さが違うと風が通る、と設計者の方に言われていたのですが、その通りでした」と奥様。
リビングと階段踊り場の2箇所にある南側窓を開けることで、吹抜けの階段を通って1階から空気が流れて抜けるいわゆる<煙突効果>が現れているのでしょう。

窓を通じた新しい楽しみもまた、見つけ出されていました。
天窓ごしのお月見は、多くの住まい手が経験する発見です。室内側の照明を落とせば「意外に見えるのがわかったので、それ以来子どもと見るのが楽しみです」

予想外だったのが「台風の時、窓から雲の動きがよく見えてちょっと楽しいんですよ」という奥様の話。
「向こう側が暗くなったからそろそろ来るかなって、洗濯物を取り込んだり」楽しげなその言葉を聞きながら、自然からのサインを受け取って暮らしに生かす人間の能力が窓を通して発揮されていることに、不思議な感動をおぼえました。

一方、開口の多い家の課題ともなるプライバシー面はどうでしょうか。

1階端の浴室は透明なFIX窓と直接庭に続くデッキを持つ、開放的なつくりです。「僕は気持ちいいです。朝や昼に入ると効果的だし、気にせずスクリーンを開けて入ります」と話すTさんの隣で、奥様は「光や風が入るのでカビの心配はないのですが、早く目隠しの木を植えたい」。

そう言いつつも、子どもの水遊びや大人の庭いじりのあとにそのままお風呂に行けるのでそれもいいかな、と笑顔もこぼれます。

「この家で、プライバシーと光の取り込みとを考えながらどう動けばいいのか、ようやくわかってきた感じです」
新たに獲得した空間を住みこなしていこうとする現在進行形の現場を、目の当たりにした気がしました。

ガラス窓の基本的な役割は光と風を取り込み、内と外とをつなぐこと。しかしその奥にある力に気づき、引き出し、コントロールして暮らしの快適さや楽しさにまで拡張していけるのは、他ならぬ住まい手自身なのではないでしょうか。

<西向き大開口>という一見マイナスの要素を、建築技術と自らの知恵とで見事に御して、望む空間を実現したT邸。
「居るのは圧倒的にリビング。憧れてつくった書斎は、今は物置になっているんです」



取材日:2014年4月6日
取材・文:二階 幸恵
撮影:渡辺洋司(わたなべスタジオ)

※煙突効果:暖められた空気が上昇する原理から、建物の下階にある暖かい空気が上階に上がり、そこに開口があれば外に流れ出す現象。この効果により、建物の窓に高低差をつけると下階で取り入れた外気が上階に向かう風となり室内が自然換気(温度差換気)される

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