事例紹介/リフォーム

エコリフォームが支える快適セカンドライフ

窓から快適、リフォームレポート -暑さ知らずで趣味も充実! 東京都 M邸 戸建て-

Profile Data
立地 東京都狛江市
住宅形態 木造一戸建(1971年竣工/1975年第1回改修/2006年第2回改修)
住まい手 夫婦
間取り 4LDK
リフォーム工期 2006年5月末(1日間)
工事費用 90万円
窓リフォームに使用したガラス 遮熱真空ガラス+真空ガラス

エコリフォームが支える快適セカンドライフ


「家で過ごす長い時間」をふまえた大改修 窓リフォームは既存サッシ+真空ガラスで

M邸南側外観。よく茂った植栽が日光を遮り、1階はとくに涼しい。

M邸南側外観。よく茂った植栽が日光を遮り、1階はとくに涼しい。

1階の庭。庭木と地面を覆う緑、ベランダの庇がつくる緑陰空間だ。

1階の庭。庭木と地面を覆う緑、ベランダの庇がつくる緑陰空間だ。

多くの古墳や土器の発掘で知られる狛江市は、日本で3番目に小さな市です。Mさんご夫妻は緑豊かなこの地に暮らしてもうすぐ40年、ご主人の定年退職とその後一時期体調をくずされたことが、リフォームのきっかけとなりました。

「病気をして家にいる時間が長くなり、室内の暑さ寒さがこたえるように。定年後の暮らしを快適にしようと思いきってリフォームを決めました」とくに暑さがつらかったというご主人は、住宅リフォームについて自身でいろいろ調べ、窓を通じた熱の出入りによって室内温度が大きく左右されることを知ります。

窓をどうにかしたい、でも住まい全体の大きなリフォームで出費がかさむ中、これ以上の予算はかけられない…そんな中で出会ったのが、窓やガラス施工のプロ・A社のNさんでした。

相談を受けたNさんがM邸の窓を詳細に点検したところ、40年近い月日を経ているにも関わらず、肉厚のアルミサッシはまだ十分使える状態であることがわかりました。とくに1階の庭に面した掃き出し窓は、よく茂った植栽や土の庭のおかげで、紫外線によるアルマイトの腐食が遅かったとのこと。

これを生かしながら高い断熱性能を得る工法として、Nさんから真空ガラスの採用が提案されました。内窓設置の選択もありましたが、「二重窓にすると、今はいいけどそのうち開けるのがおっくうになるかも」とのご夫妻の意向で、既存サッシを生かして今まで通りに開けたてできる方法に落ち着いたのです。


暑さで近寄れなかった書斎が真夏も快適な趣味のアトリエに

ご主人愛用のウクレレはセカンドライフのよき相棒。

ご主人愛用のウクレレはセカンドライフのよき相棒。

ご主人の部屋。東と南の窓を真空ガラスにエコリフォームした。

ご主人の部屋。東と南の窓を真空ガラスにエコリフォームした。

バス・トイレなどを除く全居室が対象となったガラス交換は、家全体のリフォームとほぼ同時に行われ、実質1日で終了しました。以来、ご夫妻の住まいでの過ごし方は大きく変わっていきます。

ご主人は7年前からハワイアンミュージックを始め、ウクレレ演奏と歌の練習が大きな楽しみ。4年前からはインターネット上にブログも開設し、頻繁な更新で日々の生活をつづっています。ウクレレ練習用の譜面類やオーディオ機器、パソコンの揃った自室は、趣味のアトリエとして大切な空間です。

しかし、直射日光がそのまま入る2階東南の部屋は暑さがきびしく「夏場はとても居られなくて。練習がはかどるのは涼しくなってからでした」。

当時はエアコンの冷たい風が肌に合わなかったこともあり、結局、夏は庭木や庇が日射を遮り比較的涼しい1階に多く居て、2階に上がるのは秋口になってから、という状態が続いていました。

ガラスを替え、加えて高性能のエアコンを設置したことで部屋の状況は一変します。窓を閉めて加湿モードのエアコンを少しかけるだけで、夏場も長い時間を快適に過ごせるようになりました。以前は1階のダイニングが一番好きな場所だったというご主人、今は「ここですね、なんといっても周辺機器があるからね(笑)」と満足そう。快適さの効果か今は体調もすっかり元に戻ったといい、充実したセカンドライフへのエコリフォームの貢献を、目の当たりにするようです。

もうひとつの効果は防音性。リフォーム以前、ここで練習すると真下のダイニングにかなりの音量で響いていたウクレレの音色が「今は遠くから聞こえてくるよう」とは奥様の証言です。周囲を気にせず音楽を楽しめることは、地域社会の一員としても大切な要素ではないでしょうか。


外から見えず内からは見通し抜群の窓でキッチンのプライバシーと開放感を両立

遮熱真空ガラスに窓リフォームしたキッチン。

遮熱真空ガラスに窓リフォームしたキッチン。

キッチン東側の腰高窓。ミラー効果で室内の様子は見えない。

キッチン東側の腰高窓。ミラー効果で室内の様子は見えない。

みごとに実った庭の葡萄は小鳥たちの御馳走になる。

みごとに実った庭の葡萄は小鳥たちの御馳走になる。

窓から見える緑がさわやかなダイニングでお話をうかがった。

窓から見える緑がさわやかなダイニングでお話をうかがった。

一方、奥様のお気に入りは1階ダイニングキッチン。部屋の真ん中を通っていた階段を室外に付け替えるなど、今回のリフォームでもっとも大きな変更がなされたスペースです。

リフォーム前は、北と東に切られたキッチン部分の窓をはじめ、庭に面した掃き出し窓などもすべて曇りガラス(型ガラス)で外を見通すことができませんでした。奥様から「キッチンが暗いし寒い。室内は見せたくないけれど外の光を入れたいんです」とのリクエストに、Nさんは遮熱真空ガラスの利用を思いつきます。

遮熱真空ガラスは、エコガラスの中でもミラー効果の高いガラスで、外光が強い日中は室内の様子が外からほとんど見えなくなります。通常は西日対策などに使われることの多いガラスですが「ここではプライバシーを守るものとして採用しました」とNさん。

ガラスが透明になったダイニングキッチンは、階段がなくなったことも含めて部屋全体の雰囲気ががらりと変わりました。

真空ガラスの断熱性能が暑さや寒さ、さらにはカーテンが濡れるほどだったという結露を一掃し、効きづらかった夏場のエアコンも、今では少し冷えすぎて送風モードに変えることも。それだけではありません、外の景色を見通せるようになったことで「ご近所の方の顔がよくわかるようになったんですよ」と奥様。外を通る人にキッチンから手を振ってもまったく気づかない様子に、窓のミラー効果を実感したとのこと。プライバシーを守りつつ開放感のある快適な居室です。

同様に、南側の掃き出し窓からは庭を見ることができるようになりました。大きなハナミズキに小鳥の巣箱が掛かり、たわわに実をつけた葡萄棚の足下にリュウノヒゲや観葉植物の鉢が並ぶM邸の庭は、緑あふれる涼しげな空間。窓際の机で聖書の勉強をしながらこの風景を眺め、やってくる小鳥の姿を楽しんでいます、と奥様はにっこりしました。

今回のエコリフォームについて、ご主人は「ガラス交換と配置換え、これが一番効果があったように思います。70才代より体力のある60才代で早めに快適な暮らしを手に入れた方がいいですね」。奥様は「リフォームは新築よりミステリアスでおもしろい(笑)。昔の思い出も残っていますし」。ともに含蓄あるコメントです。

齢を重ね、リタイアした後のライフスタイルには、変わる部分と変わらないものとがあるはず。そのどちらも大切にするご夫妻の豊かで充実した暮らしを、生まれ変わった住まいが力強く支えているようでした。


エコリフォーム成功のポイント
  • 施主自身がよく調べ勉強する中での、良き施工者との出会い
  • 快適さのほか”暮らしの楽しさ”も尊重する工法・材を選ぶ
  • 窓リフォームと、部屋の配置換えや新しい空調設備が調和

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