窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

わたしの使う電気は水色

木原さんの「我が家のエネルギー消費」レポート、昨年同様、とっても興味深く読ませていただきました。福田さんのデンマークでのエネルギー消費量の計算や料金請求システムは、やはり、欧州連合加盟国同士、基本的な路線はドイツも同様です。
わたしのところにも、そろそろ大家さんや自治体のエネルギー供給公社から昨年1年間の精算書が届きます。3月になったら、ひとり暮らしの我が家の場合をレポートしますね。

久しぶりに青空が広がった土曜日、お昼ごはんの前にちいさな散歩をしました。
テュービンゲンで、これまでさまざまなタイプの 5 軒の家に住んできましたが、次ぎに引っ越すとしたら、このへんだな、と思っている界隈を歩きます。
1911年に、旧市街に隣接するネッカー河畔に造成された、当時のモダン住宅街。パステルカラーでとりどりに外壁塗装された都市ヴィラ様式の家が建ち並んでいます。木柵でかこったちいさな前庭には、春から秋、花が咲き競います。
南面のバルコニーに窓をめぐらして内部リヴィング空間(ドイツ語では「冬の庭」といいます)にした家。赤い瓦屋根の左右に、こっちで熱を、こっちは光を、と、二種のソーラーパネルを並べた家。
どの家も、断熱や太陽エネルギー取り込みのためのリフォームのあとをさまざまに見せています。


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住宅街の先の木橋のたもとには、水力発電所があります。
ここは、1911年秋に建造されて以来、いまも現役で年間 300 万kWh の電力を生産、市全体の電力消費量の 3 %をまかなっています。脱・石炭&原子力を掲げて驀進する我が町のエネルギー政策のシンボル的存在、観光名所のひとつでもあります。
目の前を流れる川の水という自然エネルギーが、こんなレトロな、かわいらしく簡素な発電所でクリーン電力に転換され、それを使って暮らせるなんて、なんて幸せなことかと思います。


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市全体の消費量の 3%しか生産していないのに、どうして、「わたしはこの川でつくられた電力を使ってます!」などと言えるの? あなたの使う電気の 3%だけがここから来てるんでしょ?と、疑問に思われるかもしれません。

もちろん、電力は、その供給会社が複数の発電企業や電力取引所から仕入れたものがいわば「どんぶり」状になって送電線を通して消費者に届けられるもので す。その「どんぶり」には石炭も原子力も、再生可能エネルギー分もごっちゃになって入っています。でも、そこは考え方、計算の仕方次第です。
その成分割合から導き出した計算によって、「どんぶり」のなかの原子力発電分だけ、とか、水力発電分だけが欲しい、という購入者の要望に応じて販売することもできるわけですね。

テュービンゲンの電力の一次エネルギー源内訳は、石炭・天然ガスが 52 %(ドイツ全体平均:58 %)、水力や太陽光、風力、バイオマスなど再生可能エネルギーが 30 %(ドイツ全体平均:17 %)、原子力が 18 %(ドイツ全体平均:25 %)。水力発電電力は、市内にもうひとつあるやはりレトロな発電所からのものや他所からの買い入れで、全体の 10 %を占めています。
テュービンゲンのエネルギー供給会社(市が 100 %出資、市長が監査役の、いわば公社)の電力料金体系は、①上記のエネルギー・ミックス割合で購入、②水力発電による電力のみ購入、③水力以外の再生可能 エネルギー源による電力のみ購入、の基本3カテゴリーに分けられ、②は 1.19 セント/kWhを、③は 4.75 セント/kWhを、①の料金に上乗せした金額が設定されています。
たとえば、年間 2700 kWhを消費する 2 人家族世帯が②を選んだ場合は年間約 30 ユーロ(約¥3,500)、③の場合は約 130 ユーロ(約¥15,000)を余計に支払うことになります。一昨年に実施されたエコエネルギー料金全国調査で、テュービンゲンのエネルギー供給会社のそれ はドイツで最も低価格、という結果となり、それによって同社はさらにエコエネルギー契約顧客を増やし、その分、CO2排出量削減も進みました。
そして、それら上乗せ料金は、再生可能エネルギーによる発電への投資にまわされています。昨年も、北海のオフショア風力発電所や地元の大型太陽光発電プラント、ネッカー川の水力発電所などの建設・経営が大きな歩幅で進みました。

福田さんのお話にあった、エネルギー供給企業による消費者に対する省エネ広報活動。ドイツでも、エネルギー経済法で義務化され、活発に行われていますが、わたしたちが毎日使うエネルギーっていったい何か、そのクオリティについての情報もふんだんに提供されています。
1997 年にエネルギー市場の自由化に踏み出した欧州連合では、その供給・管理の体制が日本とは異なることも多いので、もう少しこのへんについてお話しする必要がありますね。デンマークの状況も知りたいです。
それでは、また次回に ......。




投稿者:森さん  カテゴリー:
2011年2月 9日


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プロフィール

松本さん

2011年夏から協会に参加。省エネ担当。技術開発出身で戸惑うことが多く、右往左往しています。ミステリー、オーディオとペットとの散歩が趣味。

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元・協会 調査役。現在は、AGCのショールーム「AGC studio」勤務。

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デンマークに1993年より在住。環境に優しくて健康的なライフスタイルを自転車で走りながら実践しています。

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ミラノに22年目、古いものと新しい物が混在する面白い町です。日本のみなさまに何かお伝えできることがあれば嬉しいです。

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森さん

南ドイツの小さな大学町テュービンゲンで「競争するより協同で」を教わりながら育つ。暮らしの中や旅路で出会う人たちの人生の多様性に魅了されています。

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