緑色に風景が塗りかえられて
イタリアは夏を待つほど暖かいのですね。コペンハーゲンでは4月下旬にやっと、人魚姫の像のある運河沿いに植樹されたソメイヨシノが満開になりました。日本では桜前線が天気予報で紹介されてますが、デンマークではブナの若葉が開いた情報が伝えられます。今年は早めで3月29日に開き始めたそうです。ブナの若葉が開くと森が薄い緑色に染まります。まだ柔らかい葉は、強い陽射しに透き通っています。

北欧に春が訪れると、すぐに続いて初夏になります。緑の葉と色とりどりの花がいちどきに一緒に開いて、昨日まで色の無かった風景が一日にして鮮やかな色で塗り替えられます。気温も急に上昇して、昨日までコートを着ていたのに、今日はサングラスにTシャツとショートパンツ。デンマークには長い冬の後に春と夏が一緒に来て秋がなくて冬になると言う人もいるくらいです。
天候が安定してくると、鳥達は巣作りを始めて、くちばしに小枝をくわえて忙しそうに空を行ったり来たり。建設現場から断熱材を「ちょいと拝借」する、エネルギーの効率的な利用に関心のある親鳥も。
住宅地では増築や改築をする家屋が多くなります。近所の増築工事の現場へは、窓が届けられていました。断熱二重サッシですが、温室になりそうなほど大きな窓です。庭に張り出したテラスになるかも知れません。庭の花木をながめながら食事をしたりティータイムを楽しむことのできるテラスは、デンマーク人に人気です。ガラスで囲まれたテラスなら温室のように温かいので、朝夕はもちろん冬でも庭の景色を楽しむことができますね。

我家のハチさん一家が移り住んだ樹木の植物園「Arboretet」では、つい一週間前とはすっかり変わって、地面も樹木も緑の葉で覆われています。日本のフジザクラや八重桜が満開です。ナシの花のつぼみが開き始めています。シャクナゲやツツジも咲き始めました。


今年は、どのような夏になるのでしょう。太陽がまぶしいほどの暑い日があるのでしょうか。北欧では暦の夏に、夏が来ないかもしれないから、気候の良い5月に初夏を楽しんでしまわないと。ハチさんの御世話に、サイクリング、釣り、そして庭でのバーベキュー。屋外活動が忙しくなってきました。