窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

新学期の始まり

 
デンマークでは8月10日から学校の新学期が始まりました。夏休みの期間中は雨が多く涼しくて、ずっと夏らしい暑い日を待っていました。わたしもユトランド半島の親戚を訪ねましたが、天候が不安定で、晴れたり曇ったり、そのうえ大雨まで。マリエイア・フィヨルドの起伏のある大地の上を、たくさんの大きな雲が強い風に流されています。次々に変わる風景の美しさに感動しました。


フィヨルドの風景
フィヨルドの風景
フィヨルド沿いの自転車道
フィヨルド沿いの自転車道
フィヨルド沿岸の緑地
フィヨルド沿岸の緑地
森さんと上山さんの御便りでドイツもイタリアも猛暑なのだと知りました。デンマークとは状況が違いすぎて想像もできず、なんだか驚くばかりです。ポーランドも37-38℃の日が続いて雨が降らず、暑さで身体に不調を感じる人々が多く、そして農作物への影響も心配されているのだそうです。きっとドイツやイタリアも同じ状況なのでしょう。スペインでは山火事が発生したという報道も聞きました。一日も早く、しのぎやすい気温になって、農作物のために雨が降りますように。
 
ところでデンマークでは、今年は5月からずっと天候不順が続いたので、夏期の風力発電量が平年の量を大きく上回り、国内の電力消費量よりも多かったので、隣国のスウェーデンとドイツそしてノルウェーに電力を輸出したのだそうです。いつもの年のとおりなら、デンマークの夏は穏やかです。天気が安定して、晴れの日が多く、風はあまり吹かないため、風力発電量が他の季節に比べて少なめです。6月と7月のデンマークの夏休み期間には、海外旅行に出かける人々が多く、一斉休暇の職場もあって、国内の電力消費量が減少するので、発電と供給の量が少なくても電力不足になりません。北欧の夏は涼しくて、夏期でも冷房の必要がありません。天気の良い日が長く続いて、風力で発電できるほどの風がなく、国内の火力発電所での発電量が電力消費量より少ない場合には、スウェーデンから輸入して不足分を補います。スウェーデンでは夏期の水力発電量が多いので、余剰電力は、デンマークで風力発電量が減る期間の電力不足に充てるように、両国間で電力協約が結ばれています。同じように、ノルウェーとドイツとも協約があり、電力供給網が設けられています。
 
デンマークでは火力と風力による発電によって電力供給をしています。20年ほど前から、火力発電所で発生する余熱は地域暖房供給として都市の住宅やオフィスの温水と暖房に利用し、また全国にある廃棄物焼却所では熱を発電と地域暖房供給に利用が始まりました。こうしてエネルギーの無駄を省き、効率的な利用が図られてきたのです。また、デンマークには原子力発電所がありません。1970年代のオイルショックの後、デンマーク政府は石油に替わるエネルギー源として原子力発電所建設を国会に提案しましたが、全国で国民は反対を訴える運動を起こして、政府案は却下されています。そこで、新たなエネルギー源として風力発電の研究が始まったのです。
 
それでもデンマークでも核エネルギーの研究が行われています。20世紀初頭から、物理学者のニールス・ボーアは原子物理学を研究し、ノーベル物理学賞を授賞しています。後に1930年代に、ボーアは原子核分裂の理論を発表しましたが、自身の理論が平和利用でなく原子爆弾の開発の理論的な根拠になったと知ると、国際的な原子力国際管理協定の必要性を各国へ訴えることに務めます。当時は多くの物理学者が、原子力爆弾開発の中止を求めましたが、こうした訴えは米国の大統領に届かず、残念なことに、70年前の8月6日に広島そして9日には長崎に原子力爆弾が投下されたのでした。デンマークでは1970年代に原子力発電所の建設を目的に、原子力エネルギーの実験研究が始まりました。原子力発電所は実現しないことになった後も、核や原子力の実験を伴う研究が現在まで続けられています。ところが世界各地で原子力発電所の事故が続いて、小規模ではあっても核を保有することへの不安が高まり、核や原子力の実験室の閉鎖について検討されるようになりました。
 

陽射しと木陰
8月初めに、新学期の準備のために人々が旅行から帰って来たころ、青空が広がり、太陽が輝いて、ようやく夏らしくなりました。子供達は海辺で泳いだり水遊びをして、短いデンマークの夏を楽しんでいます。けれども朝夕は、晴れていても、半袖から出た腕に風が冷たく感じられます。北欧にはもう秋が近づいてきています。

蒲の穂と夏の花
蒲の穂と夏の花



投稿者:福田さん  カテゴリー:
2015年8月19日


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