窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

ディスカバー・デンマーク


 
ユトランド半島北部の湿地で
IMG_0340ユトランド半島北部の湿地で 
暑中お見舞い申し上げます。デンマークは涼しいままに8月を迎えました。天気がいまひとつなので、南欧へ出かけて行って暑い夏休みを過ごした家族が多いと聞きました。ショッピングセンターには買い物客が少なくて、季節外れのセールの「黄色い」札が目立ちました。けれども新学期を前に、そろそろ人々が旅行から帰ってきて、住宅地に響く子供達の声や通りの自家用車が増えて、街は日常に戻りつつあります。
 

フィヨルド
IMG_0343フィヨルド
晴れていても、急に灰色の雲が近づいて、にわか雨が降るという、不安定なデンマークの夏らしい天候でしたが、我が家は親戚に招かれて、ドイツと陸続きのユトランド半島の北部の街で5日間の小さな休暇を過ごしました。ユトランド半島の東海岸から入り込んだマリエイア・フィヨルドの再奥の街、ホブロでは急勾配の大地に森が岸辺まで広がり、どこも水と緑の美しい風景が見られます。
 
フィヨルドがくびれて狭くなっているところに、中世になってから橋が架けられて、その周辺に街が成長します。やがてローマへたどる街道が延びて、深いフィヨルドを大きな船が航行し、1500年代には王が商業都市として認めて、人々や物資の行き来で街は栄えたのでしょう。1869年には鉄道の駅が築かれてからは人口が増えて、現在の海辺に広がる街の姿になりました。
 
けれどもホブロの歴史は、フィヨルドのくびれの西側から始まります。西暦980年、フィヨルドの奥まった穏やかな地域の南斜面に、デンマークのバイキング王ハラルド・ブロータンが集落を築きました。集落の周囲に設けられた円形の土手は、現在も残っています。土手の上に立って周囲を見回すと、外敵から集落の人々を守ろうとした王の考えが分かるようです。土手の内側には約28mのナラの材木を使った住居がありました。4軒一組の住居は正方形の1辺の上に1軒ずつ建てられて、全部で4組、16軒の住居がある集落でした。当時の住居跡は、緑の芝生の上に並べられた白い石で示されています。
 

バイキングの住居
IMG_0304バイキングの住居
バイキングの集落には、鉄製の道具を作る鍛冶や金属加工のほか、革や毛皮や羊毛を使った室内の用品や衣料品の制作、木工による家具や生活道具の制作など、様々な手工芸の工房がありました。そして、人々は集落内では家畜を飼い、また、フィヨルドに近い低地では農業を営んでいました。円形の土手の内外でおとなしく芝を食む羊たちを見ていると、1000年前の人々の簡素な暮らしが想像できるようです。
 
円形の土手
IMG_0305円形の土手 
ユトランド半島の北部の大地は最終氷期の氷河の動きや氷や雪が溶け出した大量の水の流れによって削られて形作られました。おりかさなる山々やフィヨルド沿いの急勾配は氷河の動きで大地が削られたのでしょう。平坦な平穏なデンマークの国土とは異なる厳しい表情をしています。
 
氷期にできた地形
IMG_0341氷期にできた地形
ホブロの街の郊外は緩やかな凹凸のある大地に大規模農業の農場が遠くまで広がっています。北西にある大きな森は、周辺地域の人々がハイキングやピクニック、サイクリングや、大小の湖で釣りをしたり泳いだりする、野外活動や憩いの場のです。森の中にある湖ではサイクリングに来た家族が水泳を楽しんでいました。
 
森に接する湿地には1912年に国が保存指定した泉の湖がありました。泉の湧き出す湖としてはデンマークで最大なのだそうです。「ブローキレ(青い泉)」という名前のとおり、水中の泉が湧き出す部分が青く見えます。水底の柔らかそうな土が膨れて盛り上がると、水中に泉の水が流れ込んで全く濁りのない透きとおった水が静かに揺れ動きます。まるで地中にポンプがあって水を噴き出しているように見えますが、何の仕掛けもない、天然の湧き水なのです。
 
「青い泉」
IMG_0336「青い泉」
連れて行ってくれた親戚と我が家のデンマーク人と「不思議だね」と言い合いながら、しばらく水辺に立って泉を眺めていました。青い泉のほとりで、2-3のグループと居合わせましたが、美しい景色に囲まれてある自然の不思議な営みを一緒に体験して、お互いに笑顔で挨拶をしては、不思議ですねと言葉を交わしました。

水底の湧き水
IMG_0331水底の湧き水
国土の小さいデンマークですが、素晴らしい自然や文化が、あちらこちらに存在しています。都市から離れて、高速道路や国道から昔の街道をたどり、そして、クルマから自転車へ乗り換えて、いくつもの知らない街を通り抜けて走ると、未知のデンマークを発見しました。
 
自宅へ帰って、小さな夏休みの体験が心や身体に残っているうちに、白夜の季節が終わりました。ひと雨ごとに秋の気配が高まるのを感じます。そろそろ我が家は蜂蜜の収穫です。
 





投稿者:福田さん  カテゴリー:
2017年8月 9日


ページの先頭へ

プロフィール

松本さん

2011年夏から協会に参加。省エネ担当。技術開発出身で戸惑うことが多く、右往左往しています。ミステリー、オーディオとペットとの散歩が趣味。

詳しいプロフィールはこちら

木原さん

元・協会 調査役。現在は、旭硝子のショールーム「AGC studio」勤務。

詳しいプロフィールはこちら

福田さん

デンマークに来て早17年。環境に優しくて健康的なライフスタイルを自転車で走りながら実践しています。

詳しいプロフィールはこちら                 

上山さん

ミラノに22年目、古いものと新しい物が混在する面白い町です。日本のみなさまに何かお伝えできることがあれば嬉しいです。

詳しいプロフィールはこちら                 

森さん

南ドイツの小さな大学町テュービンゲンで「競争するより協同で」を教わりながら育つ。暮らしの中や旅路で出会う人たちの人生の多様性に魅了されています。

詳しいプロフィールはこちら

Calendar

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

Category

news

Back number

エコガラス

窓からエコをはじめませんか。熱をしっかり遮断する、省エネのエコガラス。

エコガラス

Copyright © 2006-2010 板硝子協会. All Rights Reserved.