窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

バロックの島


水着、懐中電灯、大判の島の地図、そうだ、雨具や双眼鏡も、と、実際に必要かどうか分からない
ものをあれこれスーツケースに放り込んで、9月下旬のシチリアに出かけました。
同行3人、レンタカーで、でも、あまり移動はせず、走るときは地方道を、の、のんびり2週間。

一方通行の多い市街地の狭い路地に入りさえしなければ、快適なシチリア・ドライブです。
日中は35℃、36℃と気温が上がり、松の並木を通れば蝉しぐれ。
なだらかな丘陵に何基もの風車、その足もとに広がる太陽光発電パネルの畑、こんな風景が繰り返
し車窓をよぎります。


太陽光発電パネルの畑
お昼ご飯のあとのシエスタが欠かせない日課になります。
どの宿の部屋も、窓には木製鎧戸あるいはガラス戸の内側に板戸が取り付けられ、ベランダには日
除けのオーニング。
日本の夏も、このような日射遮蔽設備が住宅に<最初から>取り付けられていたり、暮らすなかで
その使い回しがもっと意識されたりすれば、過ごしやすくなる、そして、省エネになる、建物外観
にも表情が生まれる、のではないかしら・・・などと思いながら、陽射しが遮られた室内でぐっす
りお昼寝し、日が暮れてから街なかに出てゆっくり「夜の部」を始めることができました。

これは、バロック建築で有名なラグーザという町で「あ、21世紀バロックだぁ」とモロに撮って
しまった写真です。
近年の流行なのでしょうか、各地で、黄金色に輝くアルミサッシの窓やドア、鎧戸が目につきまし
た。石や瓦の古い街並の質感を阻害する、違和感をもたらすもののようにわたしの目には映ったの
ですが。


黄金色に輝くアルミサッシの窓
この島独自の様式を見せるバロック建築とその街並は、シチリア観光目玉のひとつです。
1693年1月に発生したマグニチュード7.4の大地震で壊滅に近い状況に陥ったシチリア島内少なく
とも45の町々。次に起こりうる地震に備えての減災も意図された市街地再生プロジェクトのなか
で採用されたのが、当時イタリア本土で流行していた<バロック>様式でした。

ローマで修業した土地の建築士たちが、そのころフランスで完成したばかりのヴェルサイユ宮殿
の銅版画なども参考にしながら、町の新しい顔となるべき教会や公共建築、貴族の館を次々と建
てていきました。ほんの数十年で終わったトレンドだったそうですが、そのなかで、外壁や内部
の装飾、石使いなど、後期バロックのシシリアン・ヴァージョンが形成されたといいます。


バロック様式
震災から300年余が経ったいま、装飾の陰に祈りや願いをこめた<島のバロック>は街を歩く観
光客の目を次から次へとたのしませてくれます。
改築・修復が重ねられた、あるいはそれらが進行中の、壮麗な教会。
あれっ、なんだろ?と謎解きを迫る、ファサードの装飾。
ドイツなどのものよりずっと大きな舗石とそれらの組み合わせが美しい石畳の坂道や階段。

そして、剥がれ落ちた外壁の表面を好き放題に這う配電線や配水管、何枚もの板が打ち付けられ
た開口部、バルコニーの手すりに引っ掛かった「売り家」の看板・・・・それらに目を奪われ、
息をのみながらの街歩きです。


旅の最後に滞在した州都のパレルモも、人を歩き回らせずにはおかない都市です。
ある日の昼近く、サン・フランチェスコ教会の前に出ました。
教会と向かい合って、お、これは、と、目を引いたのは、ガラスのドアに<Addiopizzo(マ
フィアへの上納金支払い拒否)>のシールが貼られた店。1834年創業、セルフサービスの食堂
でした。内部も見学の価値ありでした。

この店と教会をつなぐように建つ「そのうちリノヴェーションしますよ」的雰囲気の建物、板に
手描きの窓やドア。
テラスでは、大鍋にどんと入ったペンネ・アラビアータでお店のスタッフが昼食中です。


セルフサービスの食堂
パレルモ市内には、観光客向けオート三輪タクシーが走り回っています。
「ベスト・プライス!10ユーロよっ!」と言うのを値切って(ガイジン・プライスにちがいありま
せんから)乗りました。
乗用車、馬車、バイクで混み合う中をびゅんびゅん飛ばしてくれます。


観光客向けオート三輪タクシー
シチリア伝統の荷馬車の絵装飾が市場の八百屋さんのオート三輪にも転用されています。
背後の建物の壁の一部にエトナ山の灰色の溶岩が見え、ここはカターニア市内です。


市場の八百屋さんのオート三輪
ドイツのジャガイモもおいしいけれど、イタリアのはもっとおいしい、そう思い込んでいるわたし
は2週間のあいだずっと、今日こそはジャガイモを、と言い言いし、それなのに、ついに食べそび
れてしまいました。
そのときそのとき、<いまここで食べるべき>ものが数限りなくあったからですが、ジャガイモは
次回のおたのしみといたしましょう。





投稿者:森さん  カテゴリー:
2012年10月15日


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2011年夏から協会に参加。省エネ担当。技術開発出身で戸惑うことが多く、右往左往しています。ミステリー、オーディオとペットとの散歩が趣味。

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南ドイツの小さな大学町テュービンゲンで「競争するより協同で」を教わりながら育つ。暮らしの中や旅路で出会う人たちの人生の多様性に魅了されています。

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