窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

渡り鳥が空高く


日本や南欧では、やっと夏の終わり、さわやかな秋の到来のようですね。デンマークでは、すっかり秋が深まり、落ち葉の季節。雨と風が続いて黄色や赤の葉が散り始め、芝生に広がり、路肩に集まっています。すでに霜がおりた晩があって、そろそろ冬の足音が聞こえてきそうです。


紅葉
雨の合間の青空には、ときどき甲高い鳴き声をあげながらVの形に並んで飛ぶ雁や鶴の姿が見られます。スウェーデンの人里離れた大自然のなかで夏を過ごした渡り鳥が、寒い冬が来る前に温かい南の国へ旅立ちます。長旅の途中、デンマークの水辺や森で休憩するので、春や秋は、たくさんの種類の鳥を近くで見られます。渡り鳥のほとんどは、さらに南を目指して飛び立ちますが、なかにはデンマークで冬を越すものも。コペンハーゲン郊外の湿地帯は雁の群れが越冬することで知られています。またデンマークの東海岸に近い森では、スウェーデンからのワシやタカなどが冬の客です。今年はスウェーデンのアオガラが食糧の豊富なデンマークへ渡って来ていると聞きました。小さな鳥なので大きな群れをなしてバルト海を越えるのだそうです。なかには、さらに南のドイツへ渡る群れも。

住宅地では毎年のとおり、カシの実やクルミ、ヘーゼルナッツを集めるリスが忙しそうに走る姿が見られます。冷たい朝には窓越しに、赤茶の毛が膨らんだ長いしっぽでバランスを取りながら樹木の枝から枝へと飛び渡っていくリスを発見。ときどき足を滑らせて、枝に両手でぶら下がって白いお腹を御披露したり。

我家のハチ達も冬支度に入っています。もうずっと養蜂箱に静かにこもっていて姿を見せないので、どうしているのか、少々心配になります。雨上がりに気温が上がると偵察飛行に出るハチを見て、ほっと安心。養蜂箱の置いてある「森の植物園 'Arboretet'」の樹木の葉も秋の色、大小、形も様々、ひらひらと風に舞いながら地面に落ちていきます。大きな樹木の息吹に静かに包まれている'Arboretet'には、コペンハーゲン大学の樹木の心への効用を試みる「ストレスのための庭園」が、今年初めにオープンしました。庭園のオープニングには一般公開されたものの、そのあとは関係者以外立ち入り禁止になっています。興味津々ですが外から眺めるだけです。ところが、ここに春から2つのハチの家族が移り住み、ハチの世話を手伝うことになりました。


森の植物園
このストレスの癒しの庭園は'Arboretet'の入り口から最も遠い針葉樹の区域にあります。地形を活かして池や水路が造られ、元からある建物を利用して木造のテラスや回廊が設けられました。池の傍らや背の高い針葉樹の下には厚い木材で造られたベンチが置いてあります。テラスの前方では夏には野草が色とりどりの花を咲かせていました。二棟の温室はヤシなど亜熱帯や熱帯の植物とガラスの壁で設えられています。ドアを開けると濃い緑色の幹と葉がいっぱいの空間は温かく湿り気を帯びた空気があってジャングルを連想させられます。水路や池もあって穏やかに水が流れる音が聞こえています。ところどころあるヤシの木の下にはハンモックが掛けられていました。


癒しの庭園1
癒しの庭園2
夏の盛りにはハチの世話の後、回廊にあるベンチに座って、小鳥のさえずりだけがこだまする静かな空間で夏の野草をぼんやりとながめて、癒しの庭園を体験しました。夏の終わりに、ハチミツの収穫を手伝ったときに、このストレスを癒す庭園は、アフガニスタンやイラクあるいはボスニアでの紛争から帰国した兵士のトラウマやストレスの療養に使われているのだと知りました。療養にくると、何をするともなく、緑いっぱいの空間でくつろいだり、食事をしたり、心理カウンセラーと話をしたりするのだそうです。

環境やエネルギーを配慮した持続可能な社会の実現には、地球に負荷の少ない適切な技術を駆使することはもちろんのこと、そこで活動する人々の心身に負荷になる影響を及ぼすことのない素材の選択や空間づくりも大切だと思います。素材の感触、香り、温度、湿度、空間の大きさなどを配慮して、心地よい活動のためのモノや場所づくりが、持続可能な社会に貢献するためのデザインに要求されているのだと、「癒しの庭園」にも秋をみつけて考えました。

デンマークで生まれた白鳥の灰茶色のヒナは大きく育って、立派な白い姿に変わりつつあります。そろそろ親元を離れて旅立ちです。








投稿者:福田さん  カテゴリー:
2012年10月24日


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