窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

「再生可能エネルギー自給100%」Ver. 2.


森さんのお住まいのドイツや、フランス、そしてポーランドなど東欧では、もう雪が降りましたね。それも地方によっては大雪になって日常生活に支障があったことを、ニュースの映像で見ました。

デンマークでは11月の日中の気温は平年で4.7℃。ところが今年は10℃ほどの温暖な日が続いて、冬を忘れそうになっていました。けれども、昨日は気温が下がって、今朝は窓の外をながめると屋根の上や地面が、晩に降りた霜で白く、久しぶりに顔を出した太陽の光に輝いています。冬は来るのだなと。

日照時間が短いので暗いというのに、空がどんよりと雲に覆われて雨も多く、世の中がますます暗く感じられる天候でしたが、再生可能エネルギーの島サムス島を訪問しました。コペンハーゲンからでは電車で2時間ほどにある終点の街カルンボーからフェリーでサムス島へ渡ります。カルンボーの街の港湾沿いの工業地帯には4つの企業が製造工場の余剰副産物や廃棄物、廃熱や排水を互いに利用するSymbiosis(シンビオシス)と称するシステムを導入しています。地域の工場から工場へ廃熱や排水を送る大きなパイプが、電車の窓からも見られます。このシステムでは、ひとつの工場では不用物や廃棄物であるものが、別の工場では資源として利用されるため、工業地帯全体としては廃棄物量を低減、効率的なエネルギーの循環が実現しています。

昨年はサムス島へ訪問したのは9月だったので、午後6時のフェリーに間に合うように5時に港に着くと、カルンボーの工業地帯にある石油精製所や港湾の大きなクレーンが見られましたが、今回は同じ時刻でも、既に景色は闇に沈んでいました。

サムス島 デンマークの昔の姿を残した集落
サムス島では今回もまた、再生可能エネルギーについての知識や情報を集めた講習施設「エネルギーアカデミー」を訪問しました。北海道からのグループと一緒に、まずは1997年から始まったサムス島の再生可能エネルギーによるエネルギー自給100%をめざした事業について説明を受けました。この事業の目標が2007年に達成したので、現在は次のCO2ニュートラルの島を目指す、Ver.2事業の取り組みが始まっています。Ver.2では、太陽電池や太陽熱利用によって風力発電やバイオマスを補填するエネルギーの供給の向上を図るほか、交通機関のエネルギー源の脱石化燃料を目指しています。サムス島はジャガイモの産地として知られていますが、たくさんのタマネギもデンマーク全国へ出荷しています。そこで、タマネギの出荷後に残る廃棄物をバイオガスの原料の一部として使用することが検討されています。そして、バイオガスで得られるガスを島で利用されている交通機関の燃料に充てようというのが目的です。

エネルギーアカデミーで事業の説明を聞いた後は、再生可能エネルギーの各設備の見学です。南北に長い島の小さな集落から集落をつなぐ道路が、豊かに広がる農耕地の間にのびています。なだらかな坂を上った低い丘の上には陸上の風力発電機、ゆるやかなカーブを描きながら走った先の平に広がる農地の中には、バイオマスと太陽熱利用のソーラーパネルによる地域暖房供給設備。車窓から収穫の終わった畑をながめていると「ジャガイモ畑ですね」とつぶやく方がおられました。北海道のジャガイモ畑と同じだと言われます。


サムス島 陸上の風力発電機
サムス島 太陽熱利用のソーラーパネル 地域暖房供給用
広々とした農耕地の真ん中にある集落を通りかかると、直売のカボチャが5-6個、路肩に並んでいました。エネルギーアカデミーの講師のピーターさんが「デンマーク全国のハローウィーン用のパンプキンは全部サムス島で生産されているのだよ」と説明です。デンマークの伝統ではないハローウィーンをする家庭が最近は増えていて、毎年10月には玄関先に飾られた、大きなカボチャのパンプキンをくりぬいたランタンを、たくさん見るようになりました。もとからサムス島は地元種のカボチャの生産地で、森さんが紹介された小さなオレンジ色のHokkaidoも生産しています。「Hokkaido」の意味を知らなかったピーターさんは北海道が日本の地名だと察して「これからはHokkaidoのカボチャのスープを食べるたびに、きっと、みなさんのことを思い出します」と。


帰りのフェリーでは、2003年に完成したサムス島沖の大型の洋上風力発電ファームを見るのを楽しみにしていましたが、あいにくの霧で白い機体が洋上にぼんやり見えるだけ。波の揺れる音だけが響く薄暗い洋上で、海面から80m上方のローターにあって点滅するランプが、風力発電機の存在を知らせています。

サムス島 洋上風力発電ファーム
コペンハーゲンに戻ると街にはクリスマスの飾りが付けられて華やいだ雰囲気です。クリスマスマーケットも開かれて、たくさんの人々で賑わっていました。楽しそうなおしゃべりとクリスマスマーケットから聞こえる音楽などが人々の行き交う足音に混在するのを耳にして、「サムス島は静かだったな」と思いました。

コペンハーゲン クリスマスの飾りコペンハーゲン クリスマスマーケットこれから待降節、クリスマス、そして大晦日とお正月まで、家族と友達と一緒の楽しい喜びに満ちた季節です。暗い冷たい夜にはろうそくや飾り電球を灯して。温かく明るく闇に美しく輝きます。




投稿者:福田さん  カテゴリー:
2012年11月29日


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