窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

歩けば<エネルギー効率>にあたるドイツ、かな?


氷の張らない冬です。雪の多い冬です。
降っているかと思うと、さーっと陽が差して、そのうちまたちらちらとくる、そんな日がつづいています。

一日一日、日が延びて、窓ガラスにまだらに付着した白い汚れが目立つようにもなりました。ドイツでは復活祭(今年は3月末です)の前に春の大掃除をする習慣があるのですが、毎年この時季になると新聞にも<住まいのお手入れ・修繕>記事が掲載され、そろそろだなあ、とカレンダーに目が行ったりします。
先日の地元新聞には、屋根の雨風雪氷等による経年劣化のチェックを専門家に依頼しましょう、という記事が出ていました。
高いところにある<第五のファサード>の状態は、素人目には分かりづらく、判断できず、いつの間にか木材が腐っていたり、雨樋が詰まっていたり、もしますね。

テュービンゲンの町なかを歩いていると、屋根修理の現場をあちこちで目にします。
近年は、瓦の葺き替えだけでなく、同時に、断熱材を性能の高いものに入れ替えたり、屋上に太陽熱集熱器や太陽光発電機を取り付ける工事が目立って増えています。
いっぺんにエネルギー性能up改修もしてしまったほうが、工事の足場代が1回で済みます。
そして低金利の融資が利用できる、快適な冬を過ごすことができるようになる、エネルギー支出もうんと削減できる、といったことが市民の<ほぼ常識>になってきたからです。


屋根修理
これは、わたしのアパートの斜め前にある中世に建った町家の修復中の写真です。
工事がはじまり、所有者や用途が変わるたびに手を加えられてきた建物の天井、壁、床の表面をはがしていくうち、長いあいだ隠れていた600年前のオリジナルの木組みと土壁が出てきました。
それらのまだ使えるものは補強して残し、新しい木を組み、壁や床に断熱材を入れ、窓を新しくし、と、まさに、古い革袋に新しい酒を注ぎ込んでいく職人さんたちの仕事のプロセス。
もう5年も前のことになりますが、わたしの心に深く残っています。


中世に建った町家の修復
工事が終わると、もともと19世紀の終わりにここで開業したのが、第2次世界大戦中の空襲でダメージを受け、別の町に店舗を移していた眼鏡屋さん、その若い5代目主人が戻ってきました。すっきりとした現代感覚の店内は若いお客でいつもにぎわっています。

昨年4月からは、このような伝統文化遺産建築に指定されている町家のエネルギー性能向上リフォームに対しても、国の低利融資や補助金が適用されるようになりました。



ドイツでは1990年代後半から木質ペレットを熱源とするストーブの普及が始まりました。
そして、この10年の、太陽熱温水器とペレット燃焼機を組み合わせた暖房・給湯システムの急速な普及には目を見張るものがあります。
下の写真は、あるお宅の地下室ですが、左に据えられているのはペレットの貯蔵サック。大きいですね。右に置かれた燃焼機に自動的にペレットが送り込まれます。

躯体の高断熱・高気密化による一次エネルギー年間消費量低減措置にプラスした、このような再生可能エネルギー熱源の暖房・給湯システムに対しても、国の低利融資や補助金が用意されています。


ペレットの貯蔵サック
2月第1週の日曜日、シュトゥットガルトの見本市会場で開かれた「CEB (Clean Energy Building)」に出かけました。
建物の省エネルギーと再生可能エネルギー利用技術をテーマとするCEBは、地元密着型の小規模な見本市。それだけに、先端技術を誇る南ドイツの中小企業のオウナーが作業着のまま工場からかけつけて商談や情報交換している、そんな濃い臨場感がたのしめます。
建築の学生、省エネルギー施工技術を勉強中の人、エネルギー・アドヴァイザー(建物のエネルギー性能診断・証明書発行ができる専門家)志望の若者たちが、各ブースを熱心に見て回っているのも、CEBの特徴です。

あらぁー、この窓、熱回収換気装置付きですって、初めて見るわ、と、眺めていると、さっそく「そう、1か月前に完成したばかり、今のところ、うちだけの技術ですよ」とブースの親分みたいな人から話しかけられました。
この企業は人工樹脂フレームの窓の専門メーカー。1843年創業の大手です。
屋外側がアルミニウム枠、屋内側が人工樹脂枠の窓はスタンダードになりつつありますが、この新製品は、中に仕込まれたセラミックが<ミソ>、花粉や有害物質をシャットアウトするフィルターの取り付けも可、といった製品情報から、この10年ほどの建物のエネルギー性能に関する法規の変化や技術革新、それに伴うドイツの窓やその生産現場や市場の変化など、話が尽きません。


窓の専門メーカーweru
ドイツに暮らしていると、建物のエネルギー性能向上や再生可能エネルギー利用の現場やニュースに毎日のように出会います。まるで、犬も歩けば棒にあたる、です。
友人とのふだんの会話でも、このテーマが話題にのぼります。
売買するにも貸借するにも、あるいは生活を快適にするにも、住まいのエネルギー効率はお財布に直結する<ここが思案のしどころ>だからです。

ドイツでは、2010年7月に発効した欧州連合(EU)の「建築物のエネルギー性能に関する指令(EPBD 2010)」のドイツ国内法への置換作業がいまだ進行途上にあります。
本来は、EUが指定した期限の「遅くとも2012年7月9日」には、ドイツの国としての「建築物のエネルギー性能に関する条例(EnEV 2012)」が発効しているはずだったのですが、いくつかの記述を理解しやすく誤解の少ないものにするための詰めや施行後の対応準備に手間取り、現状では、「EnEV 2014」として、つまり、施行は2014年にまで持ち越されるだろうとの見通しになっています。
公表されているその試案は、いま、16の州や市町村団体、業界など各パートにおいて審議され、事務手続きが進行中ですが、内容の変更はほぼない、とみなされています。

というわけで、現在運用されているのは、2003年1月に発効したEPBDに基づいて2009年10月に制定された「ドイツ・建築物のエネルギー性能に関する条例(EnEV 2009)」です。
しかし、実際には、国の補助金や融資の条件もそうですが、設計・建設の現場においても、<最低要件>を設定した条例をどれぐらい超えるものにするか、これが問われ求められているような気がします。




投稿者:森さん  カテゴリー:
2013年2月18日


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2011年夏から協会に参加。省エネ担当。技術開発出身で戸惑うことが多く、右往左往しています。ミステリー、オーディオとペットとの散歩が趣味。

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