窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

本当を体験すること


平年より気温が低いデンマークを脱出して、平年より気温が高い日本で3週間、夏のような太陽の光を充分に身体に蓄えられました。そして、東京の梅雨入りと同時に、雨の日本から青空の広がるデンマークへ戻りました。心地よく晴れていますが、気温は日本よりも10℃以上も低くて、夏が来るのか心配になるほどです。浜辺に寄ると、子供達が水に入って、はしゃいでいました。テスト休みの生徒も集まってきましたが、ひと泳ぎでしょうか。まだ水は冷たそうです。


浜辺で泳いで筏まで
3週間の留守中は天気が今ひとつだったと聞いたので、ハチの家族はおとなしくしていたかなと期待しましたが、やれやれ「鬼の居ぬ間に洗濯」の様子。毎日あれやこれやと世話が続いています。とはいえ、ハチの家族は蜜の採集に怠りはなく、今年初めてのハチミツの収穫ができました。

ミラノの万博の御話、興味深くうかがいました。「食」の博覧会なのですね。日本館では日本の食を日本の技術で表現しようと試みたのでしょうか。法隆寺の木組みは地震があると緩むのだけれど、屋根の重みで年月をかけて少しずつ締まっていくのだと、5月末に法事で訪ねた寺の和尚さんに教えてもらったばかりです。きっと本物を見たら、理解しやすいでしょうね。

異国の文化は、実物を見たり、聞いたり、触れたりすると、言葉の説明を受けるよりも分かりやすいのではないでしょうか。せっかく日本の最先端技術を駆使して、バーチャルリアリティとスマートフォン利用でのインターコミュニケーションシステムによる画像と言葉の説明を受けても、日本の料理の美しさは理解しても、口とお腹は満足してくれませんね。早く食べてみたいのに、説明が長いから、見学客は騒ぎだすのかもしれません。先に「おつまみ」を出しておいてから、説明をしたら良かったのかもしれません。

インダストリアル(工業)・デザインという私の専門職のうちには、情報通信技術を活用するシステムや製品の開発も含まれています。バーチャルリアリティや相互情報通信などの公共空間における利用方法の提案を依頼されたときには、私は近い将来に実現可能な技術を予想しながら、10年あるいは20年後の社会を想像して、そこで使用できるようなシステムや製品を提案しました。サイエンスフィクションの小説で描かれる社会を空想して、そこで登場する機器やシステムを想像して表現することが仕事とは、なんとも悠長な職ですね。けれども、調査や報告書作成などの作業や、顧客との折衝そして提出の締め切りなどもあって、時間に追われて忙しく、現実の社会でストレスを感じることもしばしばです。情報通信技術によって、暮らしのゆとりが増すはずでしたが、今日の社会では残念ながら、夢が実現していないようですね。

デンマークでもコンピュータと情報通信システムの利用が普及しています。昨年11月からは、自治体や病院、学校などの公共の施設からの通知がデジタル化して、公共団体の共通の電子郵便箱をひとりひとり開設することになりました。コンピュータの操作に慣れない高齢者は、地元の「高齢者の会」が開いた無料のコンピュータ活用の講習会に参加して、新しい制度の導入に備えました。スマートフォンの利用も一般的で、ネットバンキングや公共交通機関の乗車なども、数年前からスマートフォン対応になっています。公立の学校では、コンピュータなど情報通信機器を活用して、子供達が機器やシステムの利用法を学ぶとともに、デジタル表現のプログラムを用いて創造力を豊かに育む授業が実践されています。ところが学校や家庭では子供達のスマートフォンやコンピュータなどの長時間利用が大きな問題になっています。遊ぶのはコンピュータゲームばかりで運動不足の子供達が増えたことも明らかになりました。

そこでスマートフォンのGPSを利用した「宝探し」は、子供達が森や野原など屋外に出て歩いたり走ったり、身体を動かす遊びとして、子供のいる家族のあいだで評判になりました。森さんの紹介の「ジオ・キャッチング」と同じゲームです。デンマークでは「宝探し」と称していて、誕生会などの子供のためのゲームである場合がほとんどです。森や野原に大人が隠した「宝」はGPS上に印されています。2-3人ずつの子供達のグループは、GPSの地図をたよりに、他のグループより先に宝を探し出さなければなりません。

デンマークでは自然保護地区に制定されている場所では、「人の歩く通路」以外に入ることは禁じられているので、「宝探し」はできません。人々の憩いの場所として解放されている住宅地近隣の森や野原では、自然保護の規則で定められた範囲内であれば、利用の方法は自由です。そしてもちろん、樹木を伐採したり、焚火をしたり、動植物に危害を与える活動は規則違反です。緑の森を楽しむときくらい、コンピュータも携帯電話も忘れたいと、時代遅れの私は思いますけれど。

雨が降って気温の低い日が続いては晴れ間という天気が続いたので、今年は「分蜂」の大繁盛だそうです。巣箱の中で産まれた新しい女王蜂が、召使いの働き蜂を連れて飛び立ち、蜂の家族が分配する「分蜂」を、養蜂を始めて5年目で私たちも初めて経験しました。巣箱から2-3mに立つ若い木の枝にハチの群が見えますが、高さ5-6mのところなので捕獲できません。困った女王蜂です。降りてきてくれればと箱を用意しましたが、無理そうです。


分蜂して枝に一時休止
分蜂して枝に一時休止

自然の様相は人間の想像を越えているのだと思うのです。日本で5階立ての集合住宅の屋根より高く成長した大木を見たときに、人々の活動のために、環境が壊されても、残された自然は風土を蘇らせることができるのかも知れないと思いました。自然の力は私たちには予測できないほど、大きいのですね。





投稿者:福田さん  カテゴリー:
2015年6月22日


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2011年夏から協会に参加。省エネ担当。技術開発出身で戸惑うことが多く、右往左往しています。ミステリー、オーディオとペットとの散歩が趣味。

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