窓から見える青い空。この空がいつまでも続くように、いろいろ考えたいエコのこと。というわけで、エコ先進国と言われるドイツ、デンマークにお住まいのおふたりにも参加いただき、エコについてのよしなしごとを楽しく気軽に、でも真剣に語り合います。
今日もエコ日和

そしてまた夏


菩提樹の花
菩提樹の花
6月初めから2週間を日本で過ごしました。私が成田空港に着いた日に、東京は梅雨入り。デンマークでは5月末に晴天続きで、気温が25℃を越える日もあって、身体が暑さに慣れていたのか、どんより曇った東京の暑さは気になりませんでした。実家に着くとアジサイがたくさんの青い花を咲かせていて、昔と同じように梅雨を彩っていました。

梅雨入りしても、東京では雨が少なかったですね。朝から晴れて暑い日に洗濯を済ませると、翌日は雲が低くたちこめていて暑さもほどほどなので、墓参りへ出かけました。我家の祖先の墓は父の故郷の埼玉県北部の旧城下町から外れた地域にあります。電車を乗り継ぐたびに、駅構内や車内の人の数が少なくなって、最寄り駅では高齢の女性と私の2人だけが下車しました。電車の発着するホームも駅舎も、小さい頃に祖母に連れられて墓参りに来た頃と、全く変わっていません。変わったのは、切符の鋏入れが省略になったので、電車が停まるときだけ駅員さんが改札に立って、乗車客の切符を点検、下車した客の切符を受取るようになっただけです。


駅舎

ひとりだけで墓参りをするのは初めてでしたが、駅から墓のある寺まで、昔と変わらず、電気屋、そば屋が住宅地の合間に店を構えていて、寺の向かいにある小学校まで迷わず歩けました。平日なので小学校の校庭に子供たちの声が響いています。隣町へつながる街道と利根川の支流になっている川が交差した角にお寺があります。街道は川を越える小さな古い橋のあたりで急に狭くなっていたのを、15年ほど前に幅を広げて橋も大きくなりました。拡幅工事に伴ってお寺の門の前に駐車場が整備されています。けれども古い門も、門の内側の本堂も、祖母の後について来た頃と変わっていません。本道の裏側に墓地があって、墓地から見える川の土手の反対側には水田が広がっている風景も、昔と全く変わりません。


寺の門
お墓の掃除をして、花を生けて、線香を焚いて、お参りを済ませると、お寺にも墓地にも人の気配が無いのに気付きました。けれども、ひとりきりでも寂しくはなく、かえって静けさが豊かに感じられます。住職さんが丹念に手入れをした庭では、心が温まり安らぐように思いました。庭木の間を舞うチョウや、雨上がりの濡れた敷石の上をゆっくり進むカタツムリには、自然の育む小さな命が輝いているように見えました。


蓮の葉

いくつもの並べられた鉢の水には蓮の葉が浮いています。葉の上で転がる水の玉を見ているうちに、なにやら視線を感じて見上げると、2匹のネコがこちらを不振そうにうかがっていました。住職さんが外出しているので、門番中という次第でしょうか。


留守番猫
駅に戻ってホームに立つと、線路の反対側に広がる水田が見えました。遠くの方に働く人の姿があります。どうやら田植えの作業中です。こうして駅裏の風景をながめるのは初めてですが、田植えを見るのも初めてです。遠くからでも、田植機がひとつひとつの苗をゆっくり確実に植えて行くのがわかります。水田の上には空がどこまで広がっています。


水田
常に変わり続け躍動する大都市の東京から電車に乗って1時間ほどの地域ですが、昔から変わらない風景と人々の営みが存続しています。失ってしまったものを見つけたような嬉しい気持ちになりました。ここで静寂による豊かさを体験して、乾いた大地を雨が潤すように、心になにかが沁み入って満たされました。

デンマークへ戻ると夏至を迎えて、明るい夜がありました。23日の晩は聖ハンスの前夜祭。デンマーク全国の水辺で焚火が燃え上がります。人々は焚火を囲んで、静かに夏への思いを馳せるのです。そして夏休みが始まって、旅行に出た家族の多い住宅地は、聞こえる人の声も、出会う人の数も減って、いつもより静かになりました。そしてまた菩提樹の花や蓮の花が静かに咲いています。


デンマークの蓮




投稿者:福田さん  カテゴリー:
2016年6月28日


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2011年夏から協会に参加。省エネ担当。技術開発出身で戸惑うことが多く、右往左往しています。ミステリー、オーディオとペットとの散歩が趣味。

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